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Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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ルームシェアというのがあります。数年前、アメリカに留学したときに驚いたのが、見知らぬ男女がルームシェアをすることが当たり前のように行われていたことです。アメリカの学生向けアパートというのは、ルームシェアを前提に作られているところが多く、バスルームが二つ部屋の両端にあるなど、プライベートな生活空間がうまく分かれるようにできています。ただ、それでももちろんリビングやキッチンなどは共有するわけで、そんな中見知らぬ男女が部屋をシェアするというのは、日本人女性にはかなり抵抗があると思うのですが、アメリカではごく自然に受け入れられていました。イギリスなどヨーロッパでも若い男女が、別に恋人同士でなくても一緒に旅行をするとか、部屋をシェアすることが普通にあるということを見聞きします。

こうした慣習というのは欧米でも昔から同じというわけではないようで、二世代ほど上になると「けしからんこと」として眉をひそめる人が多いそうです。ではそうした意識の変化というのが、どうして起こったのかを考えると、それは「男女同権」というところに行き着くように思います。

欧米では女性が強いということはよく言われますが、実際に日本女性よりも欧米の女性のほうが自己主張、権利主張が強く、気も強いように感じます。日本では女性は控えめで男性を立てることがよいとされる風潮が強く、法律的には男女平等と言いながらも、社会的にはまだ男性優位の社会だと言えるでしょう。そんな中、男女を同じ屋根の下に住まわせると、欧米であれば男女同じ強さでバランスが取れる一方、日本では女性が心理的に弱い立場に立たされるということがあり、女性側に抵抗感(逆に男性にとっては優位に立とうという心理)が生まれやすいのではないでしょうか。

その背景には性に対する考え方、意識の違いがありますし、法律的にも日本の男女平等の歴史が欧米に比べて短いということがあるのでしょう。数十年前であれば欧米でも保守的な考え方が強く、男女がルームシェアなどとんでもないという風に思われたわけですから、今後日本でも女性が権利をもっと主張するようになって社会的意識がより平等になったとき、こうしたことがより一般的なこととして自然に受け入れられるようになっていくのではないでしょうか。
     
昔初めてアメリカに行った時、道を横断しようとして車が通り過ぎるのを待っていたら、その車が私の手前で停まって渡らせてくれたことがありました。日本では体験したことのなかった出来事で、歩行者への思いやりある運転マナーにいたく感激したものです。一種のカルチャーショックでした。

その後様々な国で車を運転したり、歩行者として町を歩いたりして、運転マナーには国ごとに特徴があることを知りました。それを簡単なマトリクスにしてみました。私の主観ですが、こんな感じです。
     
クリスマスイブにやってくるサンタクロース。欧米のキリスト教圏であればどこの国でも同じ日に同じように祝うのかと思っていたが、そうでもないらしい。

サンタクロースは、ローマの聖人、聖ニコラウスが起源とされる。貧しい家の子供を助けるためにその家の煙突から金貨を落としたという伝説があるそうだ。オランダの場合12月6日をこの聖ニコラウスの命日として祝う習慣が昔からあり、「シンタクラース」の日として家族でプレゼントの交換をすることが慣習で、クリスマスよりも大事なイベントとして祝う。

クリスマスが大きなイベントのドイツでも、この聖ニコラウスを12月6日に祝う習慣は残っており、子供はこの日に扉の外にソックスをぶらさげておくと、夜中のうちにその中にお菓子が入っているという風習がある。ドイツではこの聖ニコラウスのアシスタントとして、「クネヒト・ループレヒト(Knecht Ruprecht)」なる黒装束の男がついてきて、悪い子にはお菓子の代わりに枯れ枝を入れるとか、むちで打つとか、袋に入れて連れ去るといった伝承がある。日本では、これが「ブラック・サンタ」として伝わり、悪い子には「血だらけの動物の内臓」が与えられると、かなりグロテスクだが、本家ドイツではそこまで過激な話ではないようだ。
ブラック・サンタの原型~子供が袋に入れられているSt. Nilkaus とKnecht Ruprecht


イタリアでは1月7日の夜に子供のベッドにソックスを下げておくと、魔女が良い子のソックスにはお菓子を、悪い子のソックスには木炭を入れていくという伝説があり、親は木炭のように見える黒いお菓子を入れるとは、イタリア人に聞いた話。これは上のドイツの話によく似ている。

いずれにしても、アメリカ発の陽気で平和なサンタとは違い、ヨーロッパのサンタは、その伝統から来る昏さを秘めているようだ。

なお、イギリスでは”Black Santa”といえば、毎年12月に黒装束で街頭に立ち募金をするベルファストの教会のDeanのことを指すようだ。これまで三百万ポンドを集めたというベルファストのBlack SantaについてのBBCのニュースはこちら


本物のブラック・サンタ
     
ささいでつまらないことだけれども、国によって違うものや習慣ってありますよね。いくつか例を挙げて見ます。

1. レストランの支払いをクレジットカードで済ます場合、イギリスやアメリカであれば、”Gratitude”と書かれた欄にチップ金額を自分で書き込んでサインすればよいが、大陸欧州や日本の場合、これはできない仕組みのようだ。チップ分はあらかじめ請求額に乗せてもらうか、別請求にしてもらうか、現金をおいていくかである。これは今日オランダで夕食を支払ったときにあらためて気づいた。

2. なお、チップの金額はアメリカではトータルの15%以上、イギリスでは10%という不文律があるが、ドイツなど大陸欧州では決まった金額はないし、なしでもかまわない。細かいおつりを置いていく程度がスマート。

3. 車のスピードカメラは、フランス、ベルギー、ドイツは日本同様前方からしっかり顔まで撮られるが、イギリスとオランダでは後方から車だけの撮影。これはプライバシー保護のためだと聞いたことがあるが、真偽は不明(私、本日オランダの高速道路で背後から撮影された模様)。

4. マクドナルドやバーガーキング、欧州でも各国にあるけれども、大陸欧州ではポテトにマヨネーズをつけて食べるのが一般的。これはベルギー名物のポム・フリートが原点か。ドイツのバーガーキングではケチャップもマヨネーズもただで付いてくる。イギリスとアメリカはケチャップ。アメリカはケチャップはポンプで出すディスペンサーがあってケチャップもドリンクも取り放題、飲み放題。日本は塩だけ?

5. ホテルの部屋やオフィスからの外線発信は「9」が英米の標準だが、大陸欧州は日本と同様0発信が主流。

     
先週10月31日夜、会社から帰ると自宅前の道路に仮装した子供たちがたくさん練り歩いており、その日がハロウィーンだったということに気がついた。古いケルトの慣習をアイルランド移民がアメリカで広めたのが現代のハロウィーンの起源とされ、ドイツでは最近入ってきたイベントであり、さほどポピュラーではないが、私の住むエリアは結構外国人が多いせいか、この北米のイベントも大きな市民権を得ているようである。

アメリカにいるときは、その盛り上がりと規模の大きさに驚いたものだ。町全体に子供たちのために雰囲気を盛り上げようという遊び心があって、誰もが子供に優しかった。

Wikipediaなどを読むと、イングランドやドイツではここ10年くらいにポピュラーになってきたと書いてある。アメリカのように盛り上がらないのは、同じ時期にイギリスではGuy Fawks Day(11月5日)があり、ドイツではSt. Martins day(11月11日)があって、競合しているからだとも言われる。ガイ・フォークスは国家転覆を企て、国会議事堂の地下に大量の火薬を仕掛けて爆破を図った男の名前で、彼が捕まってタワー・オブ・ロンドンで死刑となったのを祝う日。この日は夜になると各家庭の庭で盛大に花火が打ち上げられ、この日に向けて店では大量の花火が売られる。イギリスに暮らしたことがある人なら、この日の火薬くさい町の様子が思い浮かぶだろう。

St. Martin’s dayはカトリックの聖人を祝う日で、ドイツやオーストリア、ベルギーのフランダース地方といったカトリック圏のお祭り。私はこの国に来て始めてその存在を知ったのだが、この日に子供たちはめいめいがラターネ(英語のLanternにあたるドイツ語。ちょうちん)を作って、夕方、近所のお店をめぐってお菓子などをもらうという。ドイツの一部の人たちはハロウィーンが広まることで、このSt. Martins dayがすたれることを危惧しているのだとか。確かにハロウィーンにとてもよく似たイベントだ。

ヨーロッパにはSt. Nikolaus (またはNicholaus) day(12月5日と6日)という、クリスマスのサンタ・クロースとよく似た日もあり、アメリカのようなThanks Givingこそないが、これから何かとイベントが増えるヨーロッパである。
     
ヨーロッパはこの日曜日に夏時間から冬時間へ移行。アメリカよりも一週間早い冬時間移行である。日曜の夜中の三時に一時間時計を戻すのだが、それによって、朝起きる時間が遅くなるので、朝寝坊派にはうれしい。先週までは朝7時半でも外は暗く、普通の活動時間とずれが生じていたのだが、この時間修正により、朝7時には明るくなり、夕方は6時までには暗くなる。時計が実際の我々が働く時間に合うようになったという感覚だ。

緯度の高いヨーロッパでは、夏と冬の日照時間の差が大きいため、サマータイム導入は生活感覚的に必要なのだと思う。日本でもサマータイム導入の議論がされて久しいが、夏冬の日照時間差がさほど顕著ではない日本では、北海道などの高緯度地域を除けば実生活における感覚面での導入効果は少ないのではないだろうか。夏に朝早く稼動することで冷房電力消費などを抑える効果などが指摘されているが、夕方残業することが常態化している日本のオフィスでは、むしろ夕方が長くなることによる残業=電力消費が増えてしまって、省エネ面での貢献は少ないのではないかと私は考えている。
     
ここのところぐっと冷え込んで、朝は0度前後まで気温が下がるデュッセルドルフである。今週は初霜が降りた。

先週末は娘の誕生日パーティを行った。アメリカやイギリスではクラスメートを呼んで誕生日パーティを行うことがいわば親の義務と化しており(ドイツ人もやるが、英米に比べるとさほどでもなく、規模もこじんまりしているようである)、私たちもこの数年は数々の子供のパーティに参加してきたし、開催してきた。

このバースデイパーティ、自宅で行うパーティもあるのだが、準備や片付けなどが大変なので、たいていは外の遊興施設を利用して行うことが多い。このパーティは一大ビジネスなので、いろんな施設が子供向けパーティサービスを用意している。博物館、水族館、動物園、プール、ボーリング場、遊園地など。趣向を凝らしたところでは陶芸や絵画教室といったところでパーティができたりもする。

そんな幅広いチョイスの中でも、最も多いのが屋内遊園地でのパーティ。なぜか日本にはほとんどないようだが、アメリカでもイギリスでもドイツでも、屋内に巨大な遊具を置いて子供たちを自由に遊ばせることのできる施設が各所にあり、こうしたところには必ず子供のバースデイパーティができるようになっている。

屋内遊園地~欧米では各所にある

飲み物と子供向けの軽食が出されて、ケーキは持ち込み。子供たちはそれぞれプレゼントを持って親に連れられてやってきて、ランチとケーキを食べてバースデイソングを歌う以外は、親が迎えにやってくるまでひたすら遊ぶというシンプルなもの。

ホスト側は、誰を呼ぶべきかに始まって(これがなかなか難しい)、仲のいい友達が来てくれるかどうかにやきもきし、ケーキの準備や、来てくれた子供に渡すパーティバッグの準備、そして当日は遊びまわる子供たちをまとめたり、トラブルがないよう監視したり、やってくる親たちと話したりと、心身ともに疲れるものである。

今回はドイツ人、イギリス人、アメリカ人など十数人の子供たちが集まったのだが、中には近所から呼んだドイツ語しかできない子供たちもいて、その子たちとイギリス人の子供が喧嘩になったりといったトラブルもあった。ドイツ語がつたない私と妻は意思疎通のために娘に通訳をしてもらわねばならなかった。三ヶ国語を駆使してのホストはなかなか大変である。

私が子供の頃は盛大なパーティを開いた記憶などないが、昨今の日本の子供たちのパーティ事情はどのようになっているのだろう。
     
欧米はボランティアやチャリティがさかんだと言われる。欧米人がチャリティ好きということもあるのだろうが、日本よりも金集めのための仕組みがしっかりできあがっているようだ。そんな例をいくつか。

よくあるのがReadathonと呼ばれるもの。Read「読む」とMarathon「マラソン」を組み合わせた造語。子供が一定期間内に本を読むことを宣言し、そのページ数に対して、大人がお金を払う。集まったお金は慈善団体に支払われる。スポンサーの大人を集めるために、親が周囲の大人に声をかけることになる。イギリスでは、オフィスでも子供を持つ同僚からちょくちょくスポンサー募集用紙が回ってくる。私もオフィスで協力を求めたことも。Readathonの変形として、読書ではなく、スポーツの課題(例:縄跳びの回数など)に応じてお金を集めさせる場合もある。いずれにしても、子供に課題を与え、その達成度に対して大人がお金を払うことが共通している。ドイツでは見かけないので、これはひょっとしてイギリスの習慣かも。

大人の場合、こんな仕組みがある。
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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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