Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
2017/04«2017/05 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2017/06
     
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
     
同僚のオランダ人が今週から東京に出張しているのですが、出張前にいい輸入時計のお店を教えてくれと頼まれました。1ユーロ160円の昨今、ヨーロッパの高級ブランド腕時計であれば、日本で買うほうがこちら欧州で買うよりも安いのです。RolexのExplorer IIを買いたいのだとか。また、ベルギー王室ご用達というチョコレート、Pierre Marconiの箱詰めを今日とある人からいただきましたが、一万円もするこれも銀座で買うほうが、ブリュッセルで買うよりも安いようです。

ユーロ高だけでなく、日本の消費税にあたるVAT(付加価値税)もこちらドイツは19%(一昨年まで16%でしたが、2007年に3%も急上昇しました)。消費税分だけで14%も日本が安くなります。ちなみにヨーロッパのVAT税率は各国で異なりますが、イギリスは17.5%、フランスは19.6%などEUの主要国は軒並み20%前後。北欧などでは20%を超えます。税率が低いのはルクセンブルグの15%や、EU加盟国ではありませんが、スイスが7.6%です。
     
昨日から出張でアムステルダムに一泊。春らしい良い天気でしたが、丸一日ホテルの会議室でミーティング。西欧諸国はもちろん、ロシア、ポーランドから北欧、ポルトガル、果ては南アフリカまで、ヨーロッパ各地と一部アフリカからも人が集まりましたが、例によって日本人は私一人。こうした会議に集まってくる面々には、オランダ人やスイス人をはじめ、3~5ヶ国語くらいを操るマルチリンガルの人も多く、誰かとスペイン語で話しているかと思えば、隣の人にイタリア語でジョークを飛ばし、そこに通りかかった私には英語で話しかけてくると言った具合で、ヨーロッパ人の言語の切り替えのすばやさに毎度ながら感心します。こっちなど、英語以外はほとんど話せないくせに、一応、挨拶だけはドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語など相手に合わせて使い分けようとしてみますが、一呼吸置かないと切り替えが効きません。

こうした場では食事時などに、普段は聞くことができない様々な国の話を聞くことができますが、興味深かったのはFrench Caribbeanと呼ばれる、フランス領カリブ海諸島で8年間働いていたドイツ人女性の話。
     
娘が今日、「電柱って、電線がつながっているでしょ?さわってもしびれないの?」と私に訊いてきました。「コンクリートでできているから大丈夫だよ」と答えながら、娘は電柱を触ったことがないのかと思い至ります。日本では、都心など一部を除けば、当たり前にそこら中にある電柱。そこは昔から、犬がおしっこをひっかける場所であり、子供たちの「警ドロ」遊びの基地であり、極彩色のビラが通行人の視線を捉えようとひしめきあう場所でした。子供の頃の私は、つかまって何とか上に登れないものかとよく上を見上げたものです。先日、娘の学校で、電気がどうやって家庭まで運ばれてくるかを図にしなさいという宿題が出て、娘に相談された私は、思わず、「家と電柱と鉄塔を書いて送電線で結べ」といいそうになりました。高圧線や鉄塔はドイツにもあります。でも電柱はない。では、電線はどこから地中にもぐるのか、よくわからない。

ヨーロッパでは、電柱なるものはとんと見かけることがありません。ロンドンやパリでは100%無電柱化されているそうです。物心付いた頃から海外で暮らしている娘にとっては、電柱は稀にしか見ることがない、触れたこともない、遠い存在でしかないのです。

電線を地中に埋めることで電柱をなくそう、という動きが近年日本でも活発です。それによって、街の景観はよくなるし、道は通行しやすくなります。電柱を伝ってマンションの上の階に忍び込むなどという輩もいるようですから、治安面でもメリットがあります。

しかし、ことはそう単純ではないようです。
     
セルビア内の自治州、国連暫定統治下にあるコソボが2月17日に独立宣言するとのニュースが出ています。人口200万人、アルバニア系住民が大半を占めるこの国、なかなか日本人にとっては距離的にも心理的にも遠い国ですが、私はコソボに仕事で知り合った人がいます。一年半ほど前になりますが、スペインのバルセロナで会議があり、そこで知り合いました。バルセロナの空港から一緒にタクシーに乗り、市内のホテルにチェックインしたのですが、そのとき、私の前にいた彼は、受付の女性に国籍を聞かれ、"Serbia"ではなく”Kosovo”と答えたのです。その女性はけげんな顔をして「コソボ?知りません。国の名前ですか?」と聞き返し、すこしむっとした彼は(おとなしく控えめな人です)、緑色のパスポートを取り出して、「これを見てくれ。セルビアの中にあるが、コソボはちゃんとした国なんだ」と、彼女に説明していました。そのとき私は初めて、コソボ国民(または州民)は”Serbia”ではなく”Kosovo”と表紙に書かれた独自のパスポートを持っていることを知ったのです。

複雑きわまる民族紛争の歴史、入り組んだ国民感情とそこに絡む政治的思惑といった事情は日本人にはなかなか理解しずらいのですが、自分の国を国家として認めてもらえないことに苛立ちとやりきれなさを感じる国民の気持ちを、おとなしい彼のあのときの熱心な反応に、私は垣間見たのでした。
     
フランスでは生まれる子供のうち婚外子の割合が半数を超えたというニュースが報道されていました。結婚せずに出産する人が半数以上を占めるということで、日本人には驚きのニュースではありますが、40年前はこの割合は6%に過ぎなかったということで、この数十年で結婚に対する意識が大きく変わってきたことが伺えます。ちなみにWikipediaによれば、2003年度の各国の婚外子の割合は、アイスランド 63.6 %、スウェーデン 56 %、ノルウェー 50 %、デンマーク 44 %、イギリス 43 %、アメリカ 33 %、オランダ 31 %、イタリア 10 %と、北欧では軒並み高くなっています。日本は2%以下です。

私のオフィスには、事実上結婚していながら、法律的には結婚を選ばずに同棲を続けている人が何人もいます。年齢も20代の若い人から60近い人からまで様々。彼らは夫婦一緒に家を買ったりもしていますし、周囲もそれを当たり前のように受け入れています。結婚せずとも税制上や法律上不利にならないため、より自由な事実婚という緩やかな関係を望むわけですが、フランスの場合、結婚していないことが子育てに際しても不利にならないため、出生率は上がり、1.98まで達しています(EUで最高)。日本であれば非嫡出子として法律的に不利に扱われる婚外子ですが、婚外子が過半数を占めるスウェーデンでは「親の様々な生き方を認める」観点から、婚外子の法的・社会的差別が完全に撤廃されているといいます。

欧米に暮らしていると、こうした自由な婚姻関係や親子男女関係が普通に見えてきて、古い習俗や意識に囚われる日本が暗く窮屈に思えるときがあります。日本がフランスのようになれというわけではありませんが、日本人なら後ろめたく感じるようなことでも、ヨーロッパではごく当たり前に受け入れられる、すっきりした自由さを感じます。ゆがんだ差別意識が社会の暗部を生み、国全体の閉塞感を醸成するもの。こうした問題にも私たちは視野を広く持ち、日本を明るく自由な社会に変えていけるよう取り組んでいければと思います。
     
車が車上荒らしにあいました。朝、車で子供を送ろうとしたら、リアウィンドウが叩き割られていました。盗まれたものがなかったので、最初は人種差別がらみのいやがらせかもと思いましたが、警察に聞くと、この週末に似たような被害報告が他にもいくつかあったということで、そうではないようです。警察に通報するなんて初めての経験です。(ドイツでは警察は110で日本と同じだが、消防・救急は112。)

こと、車上荒らしや車の盗難に関しては、日本とこちらの警戒心の差は歴然としています。日本では、車の中にものを置きっぱなしにして車を離れるなんてことはちょくちょくあったと記憶しています。何しろ、車内に赤ん坊を置きっぱなしにしてしまう国ですから、かばんくらいどうってことはない。ロックしていればなおのこと。しかし、それは日本だけの話です。欧米、特にロンドンなどの都会では車内に物を置いたまま車を離れるなどというのはもってのほか。ロックなどしていても、窓ガラスを叩き割られて持っていかれるので、外から見えるところには何も置かないのが常識です。夜間はカーオーディオやカーナビさえ取り外して家に持ち帰るといったことも珍しくありません。

日本人は金目の物を車内によく置いているので、デュッセルドルフでは日本人の所有する車が窃盗団に狙われやすいとか。こうした窃盗やすりの犯罪に対する自衛という意味では、日本人はまだまだ国際感覚に乏しいようです。
     
昨日オフィスでのこと。私の近くのデスクに、イタリア人から電話がかかってきたのですが、イタリア語しか通じない。「誰かイタリア語できる人いませんかあ」と英語で呼びかける声に、「私が何とかできるかもしれない」と手を上げたのが私の課のポルトガル人女性。彼女は母国語以外にスペイン語と英語が達者で、オランダ語もかなり話せる(ドイツ語は私よりも下手ですが)。

「プロント(もしもし)」と電話を取った彼女は、その後しばしイタリア語で会話。ポルトガル人でスペイン語にたしなみがあればイタリア語はなんとか理解できると彼女は言いますが、そのどれもほとんど分からない私から見ればちょっとした魔法のよう。言語間の距離が近いということはすごいことだなと、改めて感心した一幕でした。
     
先週末、デュッセルドルフで開催されている美術展に行ってきました。”Bonjour Russland” と銘打ったこの展覧会は、フランスの印象派、バルビゾン派、フォービズム、キュビズムといった絵画がRussland(ロシア) の絵画に与えた影響を俯瞰するというもので、ロシアの富豪のコレクションを中心に、エルミタージュ、プーシキンといった美術館からも有名作品が集められています。普段なかなか見ることができない作品が多いため、話題になっているそうです。モネ、マネ、マティス、ルノワール、ゴーギャン、セザンヌ、カンディンスキーなどの作品に混じってタトリンなどのロシア人画家の作品が並べられ、その共通性、影響がわかる展示になっていました。そんな中で私が目を奪われたのがこれ。

Portrait of Jeanne Samary (Renoir)


ルノワールの「Jeanne Samary」。実物は等身大並の大きさで、表情のナチュラルさ、淡いピンクのドレスの質感、そして写真では判りにくいですが唇の鮮やかな紅さなど、ほれぼれする美しさに目を離せなくなりました。幸い個人所有ではなく、サンクトペテルブルグのエルミタージュにある絵なので、またいつか見るチャンスもあればいいなと思っています。

なおこの展覧会、来年1月までデュッセルで開催された後、次はロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツに移動するそうです。
FC2ブログランキング

My Profile

TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

Calendar
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック
Blog Link

その他Link
ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。