Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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先週末日本に戻ってきたのだが、いきなり台風に出くわし、月曜には地震ということで、天災大国日本を思い知ることになった。西ヨーロッパは台風もなければハリケーンもなく、ましてや地震など体感することはまずない。イギリスでは洪水被害がちょくちょくあるが、あれは堤防がまったくといっていいほどないためで、日本の洪水や土石流に比べればのどかなものである。

家族を神戸に残し、私は東京でMBAの後輩数名とささやかな同窓会をしたり、会社の保養所で数日間缶詰になって研修を受けたりといった今週であった。様々な人に新しく出会ったり、久しぶりに再会したり。フィリピンや中国、アメリカといった世界中でがんばる同じ会社の日本人や、投資銀行などの過酷な競争にチャレンジする後輩、まもなく引退するかつての上司などに会うことで、普段とはまったく異なる刺激を受ける。

ヨーロッパに住んでいると、異文化に触れて視野が広がる一方で、交友関係が狭くなるというジレンマを改めて感じさせられた。仕事以外でつながる友人がほとんどできないのだ。違う世界に住むことで失っているものがある。人生というものは何かを選択して何かを捨てなければならないトレードオフなのだ。そんなことを東京の夜景を眺めながら、一人ホテルの部屋でぼんやり考えている。
     
折に触れて思うのだが、日本のニュースというのは、新聞も雑誌も一般的に内容が日本内部のことにすごく偏っているように思う。よい比較としては、Google Newsがある。これは、世の中で話題となっているニュースをGoogleが自動で拾ってきて、重要度に応じて分野別に並べて表示するサイトだ。自動なので、人間の恣意的な判断は入らない。最もリンクが多いとか、ネット上で騒がれているニュースが上に来る。

今日、それぞれの国のGoogle Newsのトップニュースを比較してみた。
     
本日見つけた記事から抜粋。 

”牛乳の消費低迷に歯止めをかけようと、乳業各社は独自のコンセプトを切り口にした“新牛乳”の製造・販売に相次ぎ乗り出している。森永乳業は夫婦だけで暮らす小世帯など向けにコップ4杯分の少量パック「森永牛乳720ml」を同19日から売り出した。森永は、「500ミリリットルでは少ないし、1リットルでは余ってしまう」との声が多いのを受け、1〜2人でも適度に飲みきれるサイズを作った。(毎日新聞)”

実に日本的だなと思わせる記事である。アメリカに住んでいたとき、スーパーで売られている牛乳のサイズは標準が1ガロン(3.78リットル)だった。どうしてこんなに大きいかと言うと、アメリカ人はスーパーの買い物は週一回程度で済ましてしまうので、大きいものの方が売れるのである。巨大なカートにあふれるほど買い込んで、大きな車のトランクに詰め込み、巨大な冷蔵庫に放り込むのがアメリカ式。で、巨大な牛乳だから(子供が持てないほど重い)、当然使い切るまで何日もかかる。しかしどういう理由からか、アメリカの牛乳は日本やイギリスと比べて長持ちするのである。確か一ヶ月近くもったように記憶している。だから余って困るなどということはないわけだ。
巨大なミルク (Sam’s Club HPより)


森永が720ml牛乳を開発したのは1リットルでは余ってしまうという声が多いためとのことだが、余ればもう一日置いておけばいいわけで、いくら日本の牛乳が賞味期間が短いとは言っても少しくらい余ったところで無駄にはならないと思うのだが。これは欧米風の考え方だろうか。それとも何か短期間で飲みきれるサイズにしなければ売れない理由があるのだろうか。いずれにしてもこの牛乳、冷蔵庫が小さく、スーパーに行くサイクルが短くて、賞味期限にうるさい日本人ならではの商品企画だと思える。欧米(特に米国)では生まれえない発想に根ざした商品だ。
     
11時間のフライトを経て、ドイツはフランクフルトに到着。乗り継ぎの飛行機を待っている。一週間だけの日本滞在であったが、仕事が絡まない帰国は3年ぶりということで、家族で地元に戻り、親戚などに会っていると、頭は日本モードに切り替わり、仕事での現実が一気に遠くなり、最後にはドイツに戻る自分が現実でないように思えてくる。普段長く日本を離れていようとも、故郷に戻ると一気に日本人の本性に戻り、急速に海外を異国と感じるのだろう。ただ、生まれてからずっと長く海外で暮らしている人にとっては、たとえ日本人であろうとも、日本にいたところで故郷のようには感じられないのかもしれない。私の娘は7年半の人生のうち6年以上を海外で暮らしているし、息子はそもそもドイツ生まれで日本の土地を踏んだことはなかった。そんな暮らしが何歳くらいまで続けば日本を故郷と感じなくなるのか。彼らには国際的感覚を備えた「日本人」として育ってもらえればいいが。そんなことを考えながら、日本に残してきた家族に思いをはせている。
     
しばらくネット環境から遠ざかっていたので、更新が滞ってしまったが、今はもうドイツへ帰国のフライト待ちのラウンジである。今回のメインイベントであった義兄の結婚式への出席も昨日果たし、若干の時差ぼけを残しながら、ドイツへの帰国の途につく。

一般的に時差ぼけは東に向かった時がつらいと言われる。ヨーロッパを夕方飛び立ち、東に12時間弱のフライトで到着は日本の午後。飛行機の中では熟睡などできないので、半徹夜のような状態で日本に到着することになる。がんばってその夜まで起きてから寝るのはよいが、日本の夜中がヨーロッパでは夕食時にあたるので、深夜におなかがすいて目が覚める。日本から出発だとアメリカに飛んだときの到着時がこれに似ている。日本に戻ってすでに数日が経ったが、子供たちの時差ぼけはまだ完全には解消せず、夕方寝たと思ったら、数時間で起きて、夜中まで起きているといった感じである。大人はまだ自分の意思で生活時間を調整できるが、子供は眠ければ寝るし、おなかがすけば食べるので、狂った体内時計は強制的に調整がききにくいのではないか。

しかし、ANAはこの6月に成田の新しくなった第一ターミナルに移り、快適になったことはなったのだが、チェックインは改悪となっている。6月の時もそうだったが、チェックインのカウンターがビジネスクラスにも関わらず、長蛇の列。乗客にチェックインさせるための最新の自動チェックイン機を導入したのだが、効率はむしろ下がり、アシストするための人が張り付いてスタッフは前よりも増えている有様。しかも、チェックインが終わっても、荷物を預けなければならないので、こちらがまた混雑。せっかく発券を自動化しても肝心の荷物の預け入れが遅くてはどうしようもない。結果として長蛇の列はカウンターエリアをはみ出て、乗客の通行をブロックしている有様。これではエコノミーのほうが早いのではないかと思ってしまった。周囲のルフトハンザやタイ航空のカウンターはすいすい。外国人ビジネスマンの評判も悪い。ANAさんも対策はとろうとしているとは思うが、もう少し改善が必要だろう。

なお、第一ターミナルのナカミセだが、かなり宣伝していた割には、日本の玄関空港のショッピング街としてはもう二つくらいか。
     
これを読んでいただいている方は、さぞかしTIというやつはクレージーなやつだと思われると思うが、実は今日は日本に来ている。木曜日イギリスから一気に車を駆ってドイツに入り、金曜に新居にMove in、夕方までに引越しを完了し、土曜日のフライトで家族でフランクフルトから成田経由で大阪に向かった。日曜の夕方に伊丹に到着。引越しに続いて一週間の夏期休暇なのだが、こんな忙しい時期に日本に来たのは親戚の挙式のためである。

私は仕事でここ半年何度から日本に帰る機会があったが、家族揃っての帰国はちょうど丸三年ぶり。下の息子にとっては生まれて初めて踏む母国の土。娘は今回の一時帰国をとても楽しみにしている。猛暑の欧州を逃れて、さらに暑い日本へ。ゆっくりしたいところだが、日本でも移動続きの忙しい日々となりそうである。
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TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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