Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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人間、三歳まではあらゆる言語の音をききわけ、脳の言語音声回路のシナプスが増え続けるが、それを過ぎると今度は使わない無駄な回路を次々と消していってしまうそうだ。そうすることにより、脳における作業の無駄が省かれて効率よく言語を習得できる。余分な音は余分な音として認識され、無視するようにできているわけだ。

日本人が日本語の音だけで育つと、RとLの発音が区別できなくなったり、CiとShiの音声の違いが識別できなくなるというのは、こうした理由による。本来異なる音のはずだが、日本語の音声回路では同じ音として認識されてしまう。英語には不都合だが、日本語の理解にはむしろ便利なのである。

私の知り合いで、アメリカでドイツ人と結婚した日本人がいる。
     
留学していた母校の日本人後輩からメールが届いた。東京で現役生と卒業生を交えてちょっとした同窓会を企画しているらしい。海外に住む私に参加はほぼ無理だが、留学当時の夢に燃えていた頃を思い出した。

数年前、30代への転換期を前に、私はアメリカのビジネススクール(いわゆるMBA)への留学を決意し、ちょうどこの時期最後の努力をしていた。日本人がアメリカのMBAへの入学を許されるためにはいくつかハードルがある。その最初の難関がTOEFL(英語圏以外から留学生が全員受ける英語力テスト)であり、それに続くのがGMAT(これはMBA志望学生全員)である。さらにこの後にエッセイという最大の難関が控えている。

TOEFLは留学生の英語力を測るテストとして世界標準となっているが、アメリカのMBA上位校の場合、300点中250-260点が最低必要レベルとされる。TOEICに換算すると920点程度ということになるので、海外経験がない人にはかなりのハイスコアだが、それでもこれは半年ほど集中学習すればなんとかなる人が多い(私もその口)。一方、GMATはMBAへの入学を希望する人はアメリカ人だろうが外国人だろうが全員受けなければならないテストで、多くの日本人が挫折する難関である。以下、例題を二つ紹介する。英語力に自信のある方はチャレンジを。
     
私の勤めるドイツのオフィスで、従業員向けに英語のレッスンを始めるという企画が進行している。私の勤める会社の社員には二種類あって、ヨーロッパ全体の仕事をするEuropean社員と、特定の国の仕事に専念するLocal社員とがいる。Europeanは当然ながら英語が必須。一方のLocalは英語ができなくても仕事は勤まる。ただ、それでも社内公用語は英語なので、まったく英語ができないと、現地語ができないマネージャーとコミュニケーションに支障をきたすので、希望者には英語のレッスンをしますよ、というレベルアップの機会なのである。

それはいいのだが、そこで、そもそも英語ができる・できないは会話力で判断するのか、文章力や読解力で判断するのか、どちらだろうという話になった。
     
昨夜遅く、バルセロナからドイツに戻ったばかりだが、今日は夕方の飛行機でパリへ来ている。今日のパリは夜でも暖かで、コートがなくても歩けるほど。

バルセロナでは、業界を代表する人たちを集めて、プレゼンテーションやパネルディスカッションを行った。プレゼンターは、イギリス、スペイン、フランス、ドイツ、スウェーデン、イタリア、オランダといった欧州各国に加え、アメリカ人もいる。こうした多国籍の会議の場合は、当然のように、プレゼンテーションの言語はすべて英語であるが、各国の人が話す英語を聞いていると、それぞれの国の訛りがよく分かる。下にざっと比較してみた。
     
私は普段寝る前の15分くらいと出張の移動中の飛行機は読書の時間に充てることにしている。先週の日本出張では片道12時間のフライト時間を利用して、最近読みかけだったダビンチコードの英語版を読み終えることができた。ペーパーバックで600ページ。まずまずのボリュームだが、明快でビジュアルな文章とストーリー展開のおかげで比較的スムーズに読み進めた。アメリカ人作家が書いたということで、フランス人やイギリス人についての描写について「本当かな?」という疑問点と、その逆にアメリカ人とフランス人、イギリス人の違いをうまく表現した点も見られた。発売後三年も経つ小説のストーリーや感想について今頃ここで語っても仕方がないので、私なりに気なった点と英語の面で目に付いた表現についてここに書きとめておきたい。
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日経の企業コラムで英語教育についてのこんなコラムが掲載された。

http://www.nikkei.co.jp/tento/trend/20060509m4959000_09.html

筆者の結論にはやや短絡的な面も感じられるが、体験談として語られるいくつかの点には共感できた。

まず、日本人学者が学会で英語でよい発表をしたが他の学者からの質問が理解できずに回答ができなかった話、また筆者本人がMITのビジネススクール留学中にクラスメートからの質問が聞き取れずに座が白けたというエピソードが取り上げられている。私自身ビジネススクール時代、仕事上でと似たような経験があり、大きくうなずいてしまった。そう、自分で一方的に発表するのは比較的簡単である。自分の知っていることを自分のペースで話せばいいのだから、英語の文と発音さえ問題なければいいたいことは相手に通じる。トリッキーなのはその後に出てくる聴衆からの質問である。ある程度予想が付く質問ならば大丈夫だが、時に自分が予想もつかないような質問が飛び出してくるので、そんな時は理解力が半減、しかも答えも用意できていない、という羽目に陥る。日本人の英語は応用がきかない、という一例。

二つ目に数学、理科、経済学は英語で学んだほうが楽という話。私もアメリカの大学院で統計学、ファイナンス、ミクロ・マクロ経済学などを学んだが、分厚い英語の教科書が意外と読みやすく、すっと頭に入ってくるのに驚きを感じた経験がある。同じ時に、副読本として日本語の教科書も持っていたのが、こちらのほうが同じことを説明するのにはるかに分かりにくく、「英語のほうがわかりやすいなんて」と皮肉に感じたものだ。そういう意味では、筆者の提案は特に高校や大学の授業においてならば一理あると思った。

筆者はこの後に韓国と中国は漢字を捨てることによって外国語への言葉の壁を低くしたと結論つけており、これには私は賛成しかねたが、全体としては私の経験に照らし合わせて納得できる点の多いコラムであったと思う。
     
みなさんには英語の調子が良い日と悪い日があるだろうか。私にはある。難しい英単語がテンポ良く出てきて複雑な構文もスムーズに出てくる日があるかと思えば、すぐにどもってしまい、英単語がスムーズに浮かばない、文法もガタガタという日もあるのだ。そんな日は一日中あまりうまくいかない。実は先日イギリス人ジャーナリストから電話でインタビューを受けたのだが、相手の早口での質問がうまく聞き取れない上、受け答えにどもってしまい、気まずい思いをしてかなりへこんだ。

何がそういう違いを生むのだろうと考えてみると、どうも心理的、身体的ストレスと関係があるような気がする。人間激しい怒りを感じたりすると母国語でも言葉がうまく出てこないことがあるが、外国語の場合、それがより敏感に出てしまうのではないか。心理的にストレスを感じていたり、疲れているときは頭の回転も鈍り、しかも落ち着いて頭を整理できないので、ちゃんとした英語が出てこないのである。

少しばかりのストレスくらいで日本語が不調になることはないから、これはおそらく私の英語力が未熟なために起こるのだと思う。ただ、もっと英語が下手だった昔はそういう好不調の波さえ感じなかったので、これはある程度のレベルに達してから感じる感覚なのかもしれない。

もっともっと英語力を磨けばそういう悩みを感じずに済むのだろうが、もう海外に暮らして6年になる。将来そういう日は来るのだろうか。
     
先日のNewsweek(4月26日号)ではマルチリンガルについての特集が取り上げられていたが、その中に言語間の距離についての記事があった。他言語を学ぶ時、母語との「距離」が遠いほど習得が難しく、文法や発音に共通点が多い(距離が近い)言語ほど学びやすいという考え方だ。

日本語からみれば、インドネシア語、スワヒリ語、韓国語などが難易度が低く、逆にロシア語、ポーランド語、アラビア語は難しいという。ちなみに日本語から見た英語は、ロシア語よりも簡単で、中国語やスペイン語よりは難しい、難易度中の上にあたるらしい。一方、英語を母語とする人から見れば、フランス語やドイツ語、スワヒリ語は最も簡単で、日本語、中国語、韓国語、アラビア語は最も難しいとされる。

気が付いたのは、スワヒリ語は日本人にとっても英国人にとっても最も簡単で、逆にアラビア語はどちらから見ても最も難しいということ。理由は書かれていないが、アラビア語は文法から語彙、文字までどちらからもかけ離れているというのは分かるような気がする。また、インドネシア語が世界で最も文法が単純な言語だということを以前聞いたことがあるが、案の定スワヒリ語の次に日本人でも英国人でも習得しやすい言語として分類されている。

記事中の別の所には、マーク・トウェインが「才能のある人なら英語は30時間、フランス語は30日、ドイツ語は30年かけて習得できる」という言葉を残したというくだりがある。ドイツ語の複雑さ、難しさを極端に表現した言葉だが、ドイツ語を勉強したことがある者としてみると、確かに時制や性別の活用などが英語よりもはるかに複雑で、英語圏の人でも習得が難しいというのは納得である。

明日は午後からパリへ。
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TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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