Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
2009/10«2009/11 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 »2009/12
     
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
     
YMOが好きだった中学一年の夏、私は近所のレコード屋でELO(Electric Light Orchestra)というよく似た名前にだまされて(!)ELOのベスト盤を購入した。サウンドはエレクトリックという名前とは裏腹に、ストリングスを多用したものだったが、ポップなメロディでありながら音作りはとても個性的なもので、耳が慣れればすぐに大好きになった。

当時すでに私の同級生にELOファンが何人かいて、そのうちの一人が「アメリカ風のクイーン」だとELOをたとえていたので、長い間私はアメリカのバンドだと思い込んでいたが、実はイギリスのバンドである。ずっと後になり、ロンドンに住むようになってから、彼らの名曲"Last Train to London"を思い出しては、「どうしてアメリカのバンドだと信じたのだろう」などと考えたりしていた。

アウト・オブ・ザ・ブルー アウト・オブ・ザ・ブルー
エレクトリック・ライト・オーケストラ (1998/02/21)
ソニーミュージックエンタテインメント
この商品の詳細を見る


ELOの名盤の一つとされる70年代を象徴するこの一枚(LP二枚組みだったが)、ELOファンの別の親友が"The Whale"が最高だと教えてくれた。聴いてみれば意外にもインスト曲で、どちらかといえば名曲と名曲のはざまのマイナーな曲。でも、ストリングスとシンセサイザーがつむぐ雄大なメロディにクジラの声が絡む、幻想的なすばらしい曲だった。

当時のLPはもはや聴くことができないが、この"The Whale"だけはiPodに入れて、今でも時々聴きながら、中学生にして妙に「通」だった同級生のことを思い出したりしている。
     
ここ数週間のドイツは晴れたり降ったりで気温もあまり上がらない天気が続いているが、南欧は猛暑が続いており、先日トルコの地中海リゾートから帰ってきたばかりの友人によれば、気温は50度に達していたそうだ。日本も梅雨に入り、蒸し暑い季節だが、夏の夜にピッタリのアルバムを紹介したい。

カーザ カーザ
MORELENBAUM2 / SAKAMOTO (2001/07/25)
この商品の詳細を見る


坂本龍一が名うてのブラジル人ミュージシャンたちと、静謐で美しいボサノバを演奏する。アメリカにいる頃に深夜よく聴いたアルバム。ピアノとチェロ、そして透き通るような女性ボーカルが絡みとても美しい。暑くて静かな夜にこのCDをかけて坂本のピアノが鳴り響くと、部屋の温度が一気に二度ほども下がったような気になるのだ。
     
今日はユーロビジョンソングコンテストの最終日の模様をTVで見ていた。年一回、欧州各国から選出されたアーティストがヨーロッパの頂点を競うコンテストで、10億人以上が視聴するという大掛かりな欧州歌合戦である。50年の歴史を持ち、過去にはアバやセリーヌ・ディオン(スイス代表として)などが優勝している。

参加国数はなんと42カ国。決勝戦は24カ国の代表で争われ、42カ国の一般視聴者がそれぞれトップ10を選んで投票、集計してトップアーティストが決まる仕組み。昨年はフィンランド代表の聖飢魔II風コスチュームのヘビメタバンドLordiが優勝、その後日本でも人気が出て、来日公演も果たしている。この番組が面白いのは、やはりその多様な国際性だ。普段なじみのない国からアーティストが次々と登場して演奏を披露。国の代表なので実力と華やかさと個性を兼ね備えてなかなかハイレベルである。

今年の会場はフィンランドのヘルシンキ。そこに各国代表アーティストが集まって演奏を披露し、最終投票がドイツ時間の夜11時(フィンランド時間で12時)に締め切られ、それから各国の投票結果が発表となる。各国のTV局とメイン会場が中継で結ばれて各国のキャスターが自国の投票結果を発表する形(自分の国には投票できない)で開票が進められる。42カ国もが順番に発表していくので、これが一時間もかかるのだが、様々な国の風景がバックに写るのでこれが退屈しない。アイスランドなどは深夜という時間なのに夕焼け空だし、ブルガリアのソフィアやマケドニアのスコピエ、グルジアのトビリシの夜景など、初めて見る国の風景も多い。

また、各国の投票結果には国民性や地域性が出るのも面白い。今年のイギリス代表はとても不人気だったのだが、そのイギリスが票を獲得したのはイギリスに関係が深いマルタとアイルランドの票だけだった。番組の進行はほとんど英語で行われるが、なぜかいつもフランスとベルギーだけは発表をフランス語で貫き通すのも興味深い。

というわけで、42カ国が投票を終えて見事優勝したのはセルビア代表のMarija Šerifović(マリア・セリフォビッチ)。二位がウクライナ、三位はロシアと、今年は東欧に票が集中した。私がいいなと思ったモルドバは10位に終わった。下位はフランス、イギリス、アイルランド。というわけで来年の開催地はセルビアとなる。

投票結果などはオフィシャルサイトに:http://www.eurovision.tv/

BBCWikipediaでも詳しく取り上げられている。

こちらは日本語のWikipedia
     
昔学生の頃、トルコやエジプトを旅行したことがあり、安食堂や安宿をはしごしていたのだが、そういう食堂の片隅に置かれたTVでは、なんとも派手で仰々しいメイクとスパンコールぎらぎらの衣装の太った女性がアラビックでエスニックなメロディを熱唱していたものだ。それをぼんやり眺めながら、なんとも日本の演歌にそっくりだなあと感心したことがある。(余談だが、エジプトのカイロではバングルスの”Walk Like an Egyptian”の現地カバー曲をラジオで耳にしたこともある。)おそらく、日本の演歌番組を外国人が見ると同じようにエスニックに感じるのだろう。

「エスニック・キャピタル」ロンドンにいると、アラビックなメロディやインド風の音楽というのを耳にすることがよくあるのだが、同時にロンドンの音楽シーンではエスニックなものと現代のクラブミュージックが融合する動きもあり、ここ10年ほどはニティン・ソーニーNitin Sawneyがその代表選手の一人といえるだろう。

この人はインド系移民の家庭に生まれたロンドン育ちで、イギリスに何百万といるインド系移民のアイデンティティを持つ。Drum’n Bass風のスピーディでダンサブルなビートに乗せて、本人は主にキーボードにピアノ、そしてフラメンコギターなどを演奏し、そこにインド系の民俗音楽独特のヴォーカルが絡む。スリリングでメロディアスな曲展開。エレクトロなダンスミュージックと民俗風メロディのミスマッチの妙、そして詩にこめられた、マイノリティとしての鋭く、思慮深い社会的メッセージなど、すべてが新鮮で印象的である。日本でも人気のある人だが、イギリスのインド人社会を間近に感じながら聞くとまたさらに印象深くなるだろう。「ワールド・ミュージック」アワードなどを獲得しているようだが、エスニックで片付けられることが多い「ワールド・ミュージック」ではなく、いわゆる昨今のグローバル化を象徴する存在として、「グローバル・ミュージック」とでも呼びたいところである。

BEYOND SKIN BEYOND SKIN
ニティン・ソーニー (2000/03/23)
トイズファクトリー

この商品の詳細を見る
     
二月はあまり出張をせずにおとなしくしていたのだが、先週ハノーバー、昨日まではノルウェーのオスロ、その翌週はパリ、再来週はロンドンと出張が続く。

来週はパリだなと思っていたら、ジャズのスタンダードナンバー、"April in Paris"という曲を思い出した。春のパリの美しさをテーマにした曲だが、他にヨーロッパをテーマ、モチーフにしたジャズのナンバーはあるかなと思い出してみる。

"Sketches of Spain" - マイルス・デイビス&ギル・エバンス競演の名盤。
"Spain" - チック・コリアの定番曲。
"A Nightingale Sang In Berkeley Square" - マンハッタン・トランスファー。ロンドンのメイフェアにあるバークリースクエアを舞台にしたラブソング。
"Dear Old Stockholm" - スタン・ゲッツほか。原曲はスウェーデンの民謡だとか。
"No Sun in Venice" - モダン・ジャズ・カルテットの「たそがれのベニス」。
"A Night in Tunisia" - ディジー・ガレスピー。アラビックな音階をうまく使ってチュニジアのエキゾチックな雰囲気をうまく出している。

あと、スタンダードナンバーではないが、マイルス・デイヴィス晩年の「シエスタ」というアルバムに"Lost In Madrid"という曲もある。

ジャズはアメリカで生まれたわけだが、アメリカ人にとってもヨーロッパは憧れの地。ヨーロッパをモチーフにすると、そのタイトルからだけでも独特の情緒が感じられるから不思議である。

広く知られている曲ではだいたいこんなところか。ドイツをモチーフにした曲は思い当たらなかったし、ロンドンを題名に使った曲もないのが意外。他にもあれば教えていただきたい。
     
ジャン・コクトー、ボリス・ヴィアン、セルジュ・ゲンズブール、ジャック・ルーシェ。フランスにはジャンルを超えた才人がしばしば登場するが、音楽界でジャズとクラシック、そして映画音楽で高く評価されているのがミシェル・ルグラン。来週75歳になる彼だが、代表作はなんといっても「シェルブールの雨傘 」(64年)とその後の「ロシュフォールの恋人たち」(66年)。カトリーヌ・ド・ヌーヴ主演のフレンチ・ミュージカルの傑作である。これらの作品で映画音楽家としての名声を高める一方、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスら名ジャズメンとの競演が話題を呼んだ60年代の「ルグラン・ジャズ」もジャズ史に残る名盤として知られている。フランス人ならではのシャンソンの影響を感じさせる叙情的で暖かなメロディと知的な雰囲気がこの人の真骨頂である。

私のお気に入りはこれ"The Warm Shade of Memory“。

シェイド・オブ・メモリー シェイド・オブ・メモリー
ミシェル・ルグラン・ウィズ・トゥーツ・シールマンス (1995/07/19)

この商品の詳細を見る


ルグランがピアニストとして、映画音楽を中心とする自身の名曲の数々を再演しており、以前このブログでも紹介したベルギー人のジャズハーモニカ奏者、トゥーツ・シールマンスも共演している。フレンチジャズのリリシズムと、パリジャンならではのしゃれっけが見事に融けあって熟成された音だと思う。8年前、娘を出産する時、妻が分娩室でリラックスするために持ち込んで流した思い出のアルバムでもある。
     
ミロス・フォアマンの映画「アマデウス」には、ウィーンの宮廷にて、皇帝が臣下たちとモーツアルトにドイツ語のオペラを書かせるかどうか議論をするシーンがある。ドイツ語の優れたオペラの誕生を望む皇帝と、ドイツ語はオペラには合わないと進言する大臣。今も昔もオペラはイタリアが誇る文化なのである。

この数十年、世界のポピュラー音楽はアメリカ、イギリス人に制圧されてしまった感があるが、それは世界市場を相手とするメジャー・レコード会社が英米系に集中していることと表裏一体である。各国の音楽市場を見れば地元で人気の優れたミュージシャンやアーティストがいるものであるが、それらはなかなか私たち外国人の耳にまでは届かないものだ。

ただ、その中でもイタリア人はオペラという武器をバックに世界に打って出るアーティストが数年に一度現れる。フィリッパ・ジョルダーノは数年前に日本でもデビューして話題になったシチリア出身の女性ボーカリストで、オペラをベースにした歌唱力が圧巻。故ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の御前でアヴェ・マリアを歌ったことも話題に。日本でも発売されたこのアルバムではヴェルディなどの人気イタリア・オペラを歌う一方、イタリアが誇る映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの曲なども取り上げ、一般の人にも親しみやすいプロデュースと選曲がされている。

ロッソ・アモーレ ロッソ・アモーレ
ジョルダーノ(フィリッパ) (2006/06/21)
ビクターエンタテインメント
この商品の詳細を見る


一度メジャーデビューを試みて一定の成果を収めたものの、残念ながら最近はイタリア国外では徐々に手に入りにくくなっているようだ。
     
オスロからの帰り、デンマークのコペンハーゲン空港で乗り換えのため、一時間ほど時間があったのでぶらぶらと店を見てまわっていた。もう今年だけで5,6回は利用している空港だし、ちょっとした土産もの以外、改めて見るほどのものもない。というわけでCDショップで北欧ならではの掘り出し物はないかと覗いて買ってみたのがこれ。

Lisa Ekdahl


FC2ブログランキング

My Profile

TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

Calendar
10 | 2009/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック
Blog Link

その他Link
ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる