Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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昨日から出張でアムステルダムに一泊。春らしい良い天気でしたが、丸一日ホテルの会議室でミーティング。西欧諸国はもちろん、ロシア、ポーランドから北欧、ポルトガル、果ては南アフリカまで、ヨーロッパ各地と一部アフリカからも人が集まりましたが、例によって日本人は私一人。こうした会議に集まってくる面々には、オランダ人やスイス人をはじめ、3~5ヶ国語くらいを操るマルチリンガルの人も多く、誰かとスペイン語で話しているかと思えば、隣の人にイタリア語でジョークを飛ばし、そこに通りかかった私には英語で話しかけてくると言った具合で、ヨーロッパ人の言語の切り替えのすばやさに毎度ながら感心します。こっちなど、英語以外はほとんど話せないくせに、一応、挨拶だけはドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語など相手に合わせて使い分けようとしてみますが、一呼吸置かないと切り替えが効きません。

こうした場では食事時などに、普段は聞くことができない様々な国の話を聞くことができますが、興味深かったのはFrench Caribbeanと呼ばれる、フランス領カリブ海諸島で8年間働いていたドイツ人女性の話。
クレオール語を話すその地上の楽園のような島では、フランス語圏からの観光客を多く受け入れることで人々の暮らしが成り立っていました。白人と原住民がそれなりにうまく融合して暮らしていたそうです。しかし、数年前にフランス領からの独立を目指す過激派勢力が力を増し、島民を扇動して、水や電気といったライフラインを止めるというストライキを起こすようになりました。フランス政府は独立に理解を示す姿勢を示しながらも、フランス領でなくなれば、フランスの手厚い社会保障が受けられなくなり、通貨も独自に作らねばならず、フランスのパスポートも無効になるといったマイナス面を島民に説明。島民投票を実施したところ、島民の86%は独立を希望せず、フランスの支配下に残ることを希望したそうです。結果独立運動は力を失いましたが、その期間中に安全性、インフラの安定を失ったこの島は、結局リゾート地としての魅力を急速に失い、かつて高級リゾートホテルが立ち並んだ島も今となっては主要産業を失ってゴーストタウンのようになってしまったそうです。

彼女は、『この島は先進国フランスの傘に残るという、いわば楽な道を選んだが、その結果がゴーストタウン化。それでも人々はフランス政府の手厚い社会保障で食べていける。果たしてそれでよかったのかどうか』と言っていました。しかし、ちょっと目を移せば、アフリカ諸国のように、独立の道を選んだけれども宗主国のサポートを失って貧困にあえぐ国もたくさんあるわけです。だから、私はこの島民の気持ちも良く分かります。日本ではまずニュースになりそうもない、この小さな独立運動の顛末は、貧しい国や地域が民族自決というだけでひとり立ちすることの難しさを教えてくれます。
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コメント

高校時代の英語教師がウェールズの方だったのですが私が「イギリス出身ですね」と言った所彼は「イギリスじゃないよ、ウェールズだよ」と答えました。彼等にとってイギリスとはどの様な存在なのでしょうか?
トマトケチャップさん、
トマトケチャップさん、

その方の返事は半分ジョークを含んでいたかと思いますが、半分はイングランドと一緒にされたくないという反骨精神を含んでいるのでしょう。

ウェールズ人は民族的にはケルト人の血を引き、ウェールズ語という独自の言語をもち(道路標識などもウェールズ語が併記されています)、独立意識を持っています。ラグビーやサッカーでは今でも一つの国としてイングランドとは別に代表チームを編成して、ライバル意識を常に持っていますよね。
また、プリンス・オブ・ウェールズという称号はイギリスの王位継承者の王子に与えられます。

だから、イギリスとしてイングランドやスコットランドなどといっしょくたにされたくないという意識があるようです。
お久しぶりです♪

相変わらず面白い内容ですね。
日本ではニュースにならないことってたくさんあります。
そしてヨーロッパでは日本のことがなかなかニュースになりませんね。
ネットが出来ない時代、留学していた友人に新聞を送るたび喜ばれたことがありました。

最近英語圏以外の国に行くようになってから、何ヶ国語も流暢に話す方によく出会います。
『瞳は英語と日本語しか話せないの?』なんて言われています(涙)
英語もまともに話せていないんですが・・・これ以上は無理っ
龍崎 瞳さん
龍崎 瞳さん、

お久しぶりです。そうですね。ネットが情報の距離感をぐっと縮めてしまいましたが、それでも日々、色んなニュースがお互いの暮らしに届かないまま消えて行きます。

マルチに言語を操る人というのはヨーロッパでは本当にたくさんいますね。うらやましい限りです。

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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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