Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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セルビア内の自治州、国連暫定統治下にあるコソボが2月17日に独立宣言するとのニュースが出ています。人口200万人、アルバニア系住民が大半を占めるこの国、なかなか日本人にとっては距離的にも心理的にも遠い国ですが、私はコソボに仕事で知り合った人がいます。一年半ほど前になりますが、スペインのバルセロナで会議があり、そこで知り合いました。バルセロナの空港から一緒にタクシーに乗り、市内のホテルにチェックインしたのですが、そのとき、私の前にいた彼は、受付の女性に国籍を聞かれ、"Serbia"ではなく”Kosovo”と答えたのです。その女性はけげんな顔をして「コソボ?知りません。国の名前ですか?」と聞き返し、すこしむっとした彼は(おとなしく控えめな人です)、緑色のパスポートを取り出して、「これを見てくれ。セルビアの中にあるが、コソボはちゃんとした国なんだ」と、彼女に説明していました。そのとき私は初めて、コソボ国民(または州民)は”Serbia”ではなく”Kosovo”と表紙に書かれた独自のパスポートを持っていることを知ったのです。

複雑きわまる民族紛争の歴史、入り組んだ国民感情とそこに絡む政治的思惑といった事情は日本人にはなかなか理解しずらいのですが、自分の国を国家として認めてもらえないことに苛立ちとやりきれなさを感じる国民の気持ちを、おとなしい彼のあのときの熱心な反応に、私は垣間見たのでした。
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コメント

国連の憲章に基づいて、独立はまさに時代の流れであり、まずそこの国や地区の歴史を勉強すれば、理解しやすくなると思います。かような国はこれからも更に増えて行くと思います。
横須賀在住の会社員
52歳
こんにちは。
私もコソボの独立を今日のニュースで知りました。
長きに渡って多くの血が流されたこの地域の平和と安定を祈らずにはいられません。
今回の独立について、他国の思惑も絡んでいるようですので・・・。
横須賀在住の会社員さん、

コソボが独立すれば、スペインのバスクやキプロスなど、欧州の他の国にも連鎖反応的に独立運動が加速する可能性が示唆されていますね。それがためにコソボ独立を支持しない国もあります。しかしながら、歴史を見れば、国家のアイデンティティというのは力で簡単に押さえ込めるものではなく、つねに火種を抱えることになるので、長い目で見れば、独立させるべきという結論になるのではないでしょうか。
piaopengさん、

オスマントルコの支配下以来、この地域の歴史は本当に複雑で、民族も宗教も入り組んでいます。第一次世界大戦のきっかけにもなりましたし、冷戦の舞台にもなりました。このバルカンの火薬庫の安定というのがいったいどういう形になるのか、政治的にも微妙な力関係をはらんでいます。でも、コソボ人の知り合いのあの切迫した雰囲気を見るにつけ、独立させてあげたいと人情として思ってしまうんですよね。
ドイツには難民として来ているコソボ‐アルバニア人がたくさんいます。
私の知人の中にもいます。

日本人は国のアイデンティティーに疎いところがありますよね(疎いのは私だけかも)
どうして、平和に暮らせないの?
と彼らに無知な質問をして叱られた事があります。
私も今回のニュース感慨深く受け止めました。

追伸
数々の興味深い話題に溢れた、すばらしいBlogですね。
はじめてコメントさせていただくのに、
ご挨拶もせず、失礼しました。
どうか、気を悪くなさらないで下さい。
うにさん、

初めまして。コメントをありがとうございます。挨拶など堅い事は抜きで自由にコメントいただければ幸いです。今後もよろしくお願いします。

日本人はアイデンティティに疎いとのことですが、同感です。アイデンティティがないわけではなく、むしろ強烈なアイデンティティを持っているのですが、それが当たり前すぎて普段あまり意識しない。言い換えれば、意識しなくてもよい状況にこの戦後の数十年置かれていたために、感覚が鈍ってしまったといえるのではないでしょうか。これがどこか他の民族の支配下に置かれて、独立を目指していたりしたら、すごく強烈に自我を感じていたはずですね。コソボの今後を見守って生きたいと思います。
お久しぶりです。
私も近頃このニュース興味深く読んでいます。
日本にいるとTIさんのおっしゃるとおり、遠い国の出来事のように感じることもあると思うのですが、個人的にはやはり今後のトルコとキプロスの関係なども注目ですね。
makreleさん、

お久しぶりです。トルコとキプロスの問題、数十年にわたって膠着状態なわけですが、このコソボ独立問題が今後このような微妙なエリアにどのような影響を及ぼしていくのか、注目したいと思います。

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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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