Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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欧米は労働市場が流動的とよく言われます。つまり、転職をしやすい環境が整っており、みんな一社にこだわらずに転職を繰り返すのが普通とされます。本当にそうかと言いますと、実際には国によって多少差があります。まず、法律的に見て、アングロ・サクソン・モデルの英米と、独仏などの大陸ヨーロッパではかなり違いがあります。人を解雇して入れ替えやすい英米と、労働者が様々な法律で守られている独仏。例えばドイツの場合、こんな制約があります。

 会社は労働組合員を経営陣に入れることが義務付けられている。
 似たような仕事をしている勤続年数の長い人と短い人がいた場合、能力に関係なく、年数の短い人から解雇しなければならない。
 あるポジションの人を解雇してから半年以内に、同じポジションで新たな人を雇いたい場合、前任者を再雇用しなければならない。

この手の法律に詳しいわけではないので、正確ではないかもしれませんが、私が実地に見聞きした状況はこんな感じです。フランスも各種似たような法律で労働者を不当解雇から保護しています。そして、会社は解雇した従業員からの訴訟リスクに常にさらされています。このように、色々と法律で守られているドイツの労働者ですが、それでも、この一、二世代のうちにぐっと転職が一般的になったようで、四十代から下では、転職は当たり前となってきました。

一方、これらしがらみの多い独仏型雇用契約に比べると、イギリスはあっさりしたもので、解雇にまつわる制約はかなりゆるくなっています。アメリカも同様です。その分、労働市場が弾力的で、自主転職、解雇やレイオフ含めて、人が活発に動くのがアングロサクソン型の特徴です。私の知り合いでも、30代半ばになれば数社を渡り歩いているのが当たり前で、転職していない人は、逆に向上心や上昇志向がないのではないかとみなされるとさえ言われます。

終身雇用が崩れて、転職率が高まっていると言われる日本ですが、まだそれでも、いわゆる日本の大企業では転職をする人というのは少ないわけです。でも、一度ブームに火がついたら燃え広がるのが早いのが日本。日本の労働市場の流動化も、近い将来、一気に進む可能性があります。その前に日本政府と企業は、英米型を志向して自由な労働市場を築くのか、それとも大陸欧州型でいくべきなのか、独自のスタイルを堅持するのか、きちんと議論される必要があるのではないでしょうか。
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コメント

こんにちは。
先日の会社の組織を立てていく上での人材の育成や転職については本当に考えさせられるものがありますよね。
私は、丁度2年前に海外から日本に戻ってきて転職をしました。その時、ちょうど転職ブームが始まった頃で色々な活動が活発になり、転職というものがだいぶ身近になったと思います。
ただ、世代もあると思いますが新卒の方が入った会社でちょっと思っていた仕事の内容と違うということであまり経験がなく安易に転職をしようとする人たちも増えたのも事実ですよね。
向上心はおっしゃるように必要ですけれどもその目的が流行で終わらないで、もっと自分自身を見つめることが出来るようになると、日本の転職マーケットももう少しかわるのでしょうかね。
将来的にヨーロッパの方に拠点を移して働けるチャンスがあればと思っているので、いつも興味深く読まさせていただいています。
Mijoさん、

初めまして。いつも読んでいただきありがとうございます。おっしゃるように、自分自身を見つめて、何が将来の自分にとって大事なのかということを考えるようになれば、安易な転職は減るのではないかと思います。やはり、将来を見据えたビジョンのある転職というのが理想ですよね。アメリカのビジネススクールでは5年後、10年後の自分をイメージして就職活動をするよう、いつも教えていました。長期的ビジョン、昨今の日本全体に欠けているものかもしれません。
そうですね、日本の≪転職≫と言う言葉にはブームと言う言葉が付きます。
結局、入社1年足らずで退職して行く若者は働く前に、条件に不満を持ってしまう結果なのでしょうか・・・。
彼らの事を、第二新卒と言います。
この第二新卒は、確率的に、中小企業の少ない新卒採用の中から生まれていますから、中小企業は次第に若者が少なく高齢化しています。
向上心が有って、次の思惑が有って転職は良いのですが、現実は厳しく、フリーターを生んでしまっているようです。

又、言葉はきちんと聞こえますが、≪契約社員≫≪派遣社員≫と言ったなんとも不確かな雇用関係も流行でしょうか?
日本の雇用関係の多様化に、今後若者が希望を持てれば良いのにな~~と祈らずには居られません。

外資の企業に席を置く方も日々戦々恐々の時を過ごされているとか聞き及んでおります。
実際に働く人は世界の全人口の3割とか・・・

仕事に対して、各自のビジョンが必要なんでしょうね。

女性蔑視ではありませんが、男女が同じ土俵で勝負をするのは、非常に非効率な考え方だと思うのですが・・古い人間なんでしょうかね。
男女と言うよりも、夫々が適職に付けバランスよく日々が過ごせる職場、家庭と言うのが理想でしょうか?
何だか、だらだらと書いてしまいました。
家族の3人の男性達が仕事に対して持っている感覚の違いを感じながら・・・・・。
華さん、
華さん、

転職がブームや流行として語られるうちは、日本の労働市場の成熟にはまだ時間がかかりそうですね。日本社会の危なっかしいところは、米国のやり方を性急に取り入れたり、それが流行になったりと、ムードに流されやすいところではないでしょうか。下手に豊かな社会であるだけに、夢と現実とのギャップへの認識が足りず、地に足の着かない非現実的な若者が増えているのかもしれません。夢をもつことと、ビジョンをもつこととは似て非なるものです。

男女それぞれが適した職を持つというのは自然な流れだと思います。ただし、機会の均等は保証されるべきですし、偏見が根強い社会では、それを法律などで軌道修正すべきなのだろうと思います。力仕事などはともかく、会社のオフィスワークであれば、女性ができない仕事などないと思います。おっしゃるように、職場、家庭でバランスの取れた関係が築けるのが理想ですよね。

お三方の仕事に対する感覚の違い、興味あるテーマですね。またブログでそのあたりの事情を拝見できればと思います。

私のような非正規雇用者は、就職はおろか転職など夢物語です。今の中年の世代は、私たちがいかに苦労してきたか理解しようとしません。もう日本には愛想尽きました。私たちは新し仕事の仕方を模索するべきです。
よしゅうこさん、
よしゅうこさん、

日本における非正規雇用者の待遇差別問題は最近ようやく脚光を浴びるようになって来ましたが、企業側の意識は、まだまだ低いようです。バッファーとしてパートや契約社員がいいように使われる現状は、日本の硬直的な労働市場の裏返しといえますね。もっと人が転職しやすい制度を作り上げることが問題解決への一歩かも知れません。

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TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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