Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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大阪府の橋下知事が小学校低学年の35人学級制度を見直すよう指示したというニュースを見ました。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/121738/

財政負担増がその理由で、40人上限でもよいのではないかという見解を示しています。私は、海外で子供を育ててきた親として、この発言には最初、目を疑いました。 「日本の常識、世界の非常識」という言葉がありますが、日本における一クラスの人数の多さはその一つといえるかもしれません。

数年前、娘が通っていたアメリカの幼稚園では、先生一人につき子供は七人まで、という規制があり、クラスが八名になれば先生が二人ついていました。幼い子供には、先生の目がきちんと行き届くようにという配慮です。慣れない海外で子育てをしていた我々には、とても心強くて、安心させられたことを覚えています。小学校に上がってからは、イギリスとドイツの学校に通っていますが、どちらも一クラスは十数名。小学三年生(英国式でYear 4) の今でも16名です。一方、息子が通う日本人幼稚園では、年中組から一クラスが35名になると聞いて驚いています。

OECD(経済協力開発機構)が先進国の教育体制について比較したデータを発表しています(以前、このブログで取り上げました)。
その中で学級人数の国際比較もしていますが、日本のクラス人数は韓国の34人に次いで30カ国中2番目。世界平均が21人に対し、30人を超えているのは韓国、日本、ブラジル、チリ、イスラエル、メキシコだけです。日本の少子化が世界最速で進んでいることを考えれば、これは多い。また、GDPあたりの教育予算も日本は先進国で最低レベル(30か国中24位)。つまり、世界的に見て日本は「教育にお金をかけていない国」なのです。

クラスの人数が少ない方が、子供の教育が充実するとは言えない、という議論があるのは分かりますが、少ないほうが先生の目が行き届くのは間違いがないところでしょう。日本の幼稚園や小学校では、たくさんの子供の統制を取るために、笛を吹いて子供たちを整列させたりといった軍隊まがいの光景がよく見られます。そのような光景を、私は欧米の学校では見たことがありません。日本の教育は子供を画一化して、個性が伸ばせないという批判が昔からありますが、クラスの人数が多ければ多いほど、子供たちを画一化しなければ、面倒を見切れないというのが実態ではないでしょうか。いじめに気付かない先生を批判する前に、クラスの人数が多すぎないか、という視点も必要でしょう。

私は教育者でもなく、政治家でもないので、裏に潜む事情まで分かっているわけではありませんが、大阪府知事のこの発言は、教育の本質を見ずに、財政悪化という面だけを捉えた、短絡的な発言に思えます。世界の平均から見れば、日本はまだまだ学級人数は多く、教育にかけるお金も不十分です。教育は将来の日本の国力を決める、国の根幹に関わる大変重要な問題です。短期的に増えた30億円の出費を云々する前に、もっと根本的な問題に目を向け、今までの日本の教育体制が本当に良かったのか、将来どういう教育体制にすべきなのか、であれば教育予算はどうあるべきなのか、長期的視野に立ったビジョンを持って問題に取り組んでもらいたいものです。
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コメント

私も日本の一クラスあたりの人数は多すぎると思います。
うちの息子の場合、小学校1年生から40人学級でした。
その後、学年全体の人数の関係で35人程度のクラスになったこともありましたが、そのときは授業参観に参加してもスペースに余裕がありましたし、先生自身も35人だと目が届きやすい、とおっしゃっておられました。
先生一人当たりの人数が多いと負担も大きいと思いますし、子供にとってもいいことだとは思えません。
橋下知事のお考えは教育現場の実情からは少しばかり乖離していると言わざるを得ませんね。

piaopengさん、

そうですか、やはり現場の先生の声は説得力がありますね。日本は40人学級が普通だと言うと、こちらの人に驚かれます。日本の教育インフラは実はかなり貧弱なんだと(成績はいいのですが)、海外に出てから思い知らされました。
はじめまして。拝読させていただき、思い出したことがあります。
子どものころ、家にうさぎがいました。狭い鳥小屋で飼っていたのでやたらと喧嘩があり、雄うさぎ同士で血を流してました。当時は繁殖のためかと思っていましたが、大人になってそれが個体数の多さからくるストレスのためだと知りました。
競争原理が働いたのか、うちの鶏の個体数は一定以上増えませんでしたけど。
子どものうちから競争社会に晒す。脱落した子どもは別教室で面倒を見る。それでいてグランドで転んでもケガしないように芝生をはやす。(子どもは転んでケガをしてなんぼのように思うのですが)
言ってることがめちゃくちゃですね。彼
でも、洒落にならんでしょ。うつ状態の中学生増えてるんだから・・・

まとまりませんで、失礼いたしました。
反対意見が多いようなので、あえて投稿します。もしも、今、私が大阪府民だったら、70対30の確信で、賛成します。クラスの人数を下げる前に、先生も生徒も楽しい学校にすべきで、そのため財源を、校庭の芝生化に使うという具体案にも賛成です。7人の子持ちである橋下知事が、子供の教育環境に疎いことはないと思います。まず、学校の中で楽しく学び・遊ぶ環境を作ってほしいです。
千葉県民さん、

はじめまして。狭いところにたくさん押し込めるとストレスがかさんで殺しあうというのは本能から来るものですね。部屋が十分広ければストレスは少なくなるのでしょうけど。

グラウンドを芝生にすることには、ケガをするしないということではなく、運動能力を伸ばすということと、美観の観点から、私は賛成しますが、いずれにしても、様々なことについて、彼の言動は一貫性を欠いており、軽率かつ思いつきに聞こえます。これで責任のある仕事が貫徹できるのかどうか、元大阪府民として不安にさせられますね。

aoさん、

彼は確かに7人の子持ちですが、子供の体罰を奨励し、自ら、子供を投げ飛ばしてしつけをするという過激な人だと聞きました。これは欧米では虐待とみなされ、犯罪です。クラスの人数についてもそうですが、彼に欠けているのは、世界の常識を知るということではないでしょうか?

楽しい学校というのは、先生と生徒、生徒同士が緊密で、よい関係の学校だと思います。クラス人数を絞るのは、そのための一つの近道かと思います。

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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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