Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
2017/05«2017/06 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 »2017/07
     
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
     
金曜日の夜、ロンドンの韓国料理やでこちらで知り合った日本人二人と食事。

彼ら二人とも仕事でロンドン在住。私と同い年で、三人とも関西出身ということで、久しぶりに関西弁を存分に話すことができた。私を除く彼ら二人はとある国際的大企業の同期入社仲間なのだが(どちらも今は転職しているが)、彼らが当時受けた新入社員教育について話を聞いて驚いた。

入社した時に海外要員として選ばれた十数名が、希望赴任国を訊かれる。赴任先はその企業が進出している世界中から選べる。国内の研修所で、赴任国の言語を丸一年間ネイティブの先生に教わり、その後現地に派遣されるが、そこでも丸一年間、地元の大学に入って語学研修。それが終わってからさらに一年間現地の支社で簡単な業務に携わってから帰国となる。もちろんその間給料も出る。トータル三年間の海外研修。なんと余裕ある人材育成だろう。いわばたたき上げで英語を学び、希望の海外勤務を勝ち取った私にしてみれば別世界である。

私のその知り合い二人はそれぞれアメリカとスペインに派遣され、英語とスペイン語をマスターしてから帰国。その後転職をして現在イギリスに赴任中という来歴。

最近フランスで物議をかもしているCPEは、若い新人社員が最初の二年間で役に立たなければ企業は解雇できるというものだが、一方上の例は新人に三年間かけて語学と現地文化を理解させるというもの。その間企業側はほとんどリターンはない。

この日本を代表する大企業の若手人材育成は、なんと長い視野にたって余裕あるプログラムが組まれているのだろうかと驚かされる。転職率が低く、終身雇用を前提にしているからこそ、できる人事政策である。

移り変わりの速い昨今の経済界、三年をこのように使うとはなかなかできることではない。日本の労働市場も流動化が進み、従来企業が長期雇用を前提に施してきた人材への投資も、昨今は短期での結果が求められ、即戦力が言われるようになってきた。結果としてビジネススクールや資格など、外部機関による教育への需要が伸びている。

上述の二人もすでに転職し、彼らに投資した企業はその果実を得ていない。こうした例が増えればその企業も投資効果を考えて制度の変革を迫られるだろう。日本企業が人をじっくり育てた時代は古きよきものとなっていくのだろうか。
スポンサーサイト

コメント

引き続き: 企業(全てがそうではないでしょうけど・・)の研修も、至れり尽くせりなのですね。私の配偶者の勤め先も、やはり海外研修があるのですけど、男女差でいくと、女性がその研修を獲得する割合が高いのです。彼女達も腰掛けのつもりで就職したわけではないので、ちゃんと研修に行くのですが、二年(だったと思う・・)の研修を終えて帰国して、転職してしまうケースが多く、お偉方は頭を悩ませているそうです。昔は、こういう女性の転職が目立っていたのに対し、近年は、男性でも研修後、語学力を生かして、若いうちに転職してしまうケースが増えてきたそうで、英語など大勢が学ぶ”言葉”は、代わりがいるけど、珍しい言語ほど、人を育ててもそこに根付いてくれないという悔しい危機感があるようです。私の配偶者は研修組ではありませんが、私からすると、結局その仕事に向いているか&その職場・仕事内容に熱意を感じられるか・・・が、ポイントなんだろうなあと思います。 >>投資した企業はその果実を得ていない。>>  確かに企業側にとっては辛いですよね、ゆえに夫の職場では、確か、研修後も何年か、辞めることができないような、そんなシステムに変わったと聞いたような気がします。詳しくは解かりませんが。。これによって少なくとも、研修目当てで入ってくる(どちらかというと・・・)女子社員が減るのではないかと、いうわけです。 ホント、今後はどうなるのでしょうね? TI さんの友人お2人が転職した理由などを紐解くと、なんらかの解決策が見えてくるかもしれませんね。
そうですね、何故転職されたのでしょうか?今、日本では、来春の入社へ向け、試験真っ盛りです。希望する会社への、内定を頂くために並々ならぬ努力、自己分析もされての入社だと思われますだけに、研修後の転職は、よほどの事と思われますが・・銀行も、丁寧な、研修が、あり随分人材育成には、力を入れているようですが・・・私の知る限り皆さんそれなりにご活躍のように聞いておりますが。↓<珍しい言語・・・>この条件が、評価されると、娘のルーマニア語は、価値がありますが、言語だけではダメですよね。彼女もいよいよ最終学年です。
今晩は、いつも勝手に読んでます、勉強になりました。
会社人材の育ちとブランドつくり 大体同じと思います。もちろん良いところありますこそ、弱点も付いてきます。
人材の育ちはしません会社、大きく成長できませんと思います。
宇宙さん、

彼らが転職した理由は帰国後の勤務地への不満が大きかったようですね。理由は様々ですが、おっしゃるように、仕事内容に熱意が感じられるかがポイントでしょうね。

実は私も会社の費用でアメリカに二年間留学していたわけですが、もし帰国後やる気の出ない仕事についていたらすぐに転職を考えたでしょうね。

私が留学する時人事部に聞いたことがあるのですが、やはり海外留学制度があると優秀でやる気のある新入社員が集めやすいのだそうです。だから、内心は採算が合わないので制度を止めたくても外面上は制度をなくせないそうです。

そのあたり思い通りに行かない企業側の悩みがみえますね。

華さん、

転職の理由は勤務地に対する不満とか、仕事の内容だとか色々あったようですが、確かに勇気がいることだと思います。ただ、研修に行った十数名のうち半分近くがもう転職しているそうです。

ルーマニア語、確かに日本人には珍しいスキルです。役に立つことがあるとすればルーマニアがらみの仕事ですが、いいお仕事見つかればよいですね。
megさん、

いつも読んでいただきありがとうございます。
人材育成とブランドつくりが同じだという考え方は面白いですね。どちらも時間と手間、お金がかかる投資という点では確かに共通することがあります。

人材が育たない会社は成長しない、その通りだと思います。やはり長い目で見て社員を大事に育てる会社に優秀な人が集まるのでしょうね。たとえ一時的に退職者が増えたとしても人材育成のポリシーは貫いていきたいと思います。
私はシンガポールで今の会社が3つ目です。(97年にシンガポールに来ました)。転職する人は、短気であるという見方もありますので、転職することが必ずしもいいこととは、思いません。しかし、これからは、日本の景気が上向き、バブル以来の売り手市場、つまり求職者に有利に変わってきているので、転職する人、就職する人にとってはいい時期ですよね。一方、会社としては、その分、教育・研修に力を入れる必要になってくることになるのでしょうね。
昨日テレビで、日産”フェアレディーZ”、番組では”Z”と総称していましたが、1960年代、特に金持ちでもない人が買える値段で性能のよいスポーツカーをヒットさせた原因を分析しているのを見ました。アメリカでのそ後の”Z"シリーズの動向や、ファンクラブの人たちのほれ込み様など興味深かったのですが、、TIさんのこの記事を見てもう一つ気が付いたのは、アメリカに出向して”Z"のアメリカでの市場開拓と企画で成功した人物(名前は聞き落としました、インタビューには英語で会話していました)が、日本に呼び戻されて直ぐに退社したという話で、レポートではなぜだろうといった終わり方であったように思います。
私は、ビジネスの社会のことは分かるませんが、なんとなく、日本では、国内で人脈を作り多数派になった人からトップに選ばれ、海外で、小さな組織から頑張って成功させた人が評価されにくい社旗のように思います。
トヨタは中部経済界と協力して、今年、国際的人材を育てる目的で、全寮制の男子校を開校させましたが、本当にこの中から会社の最高幹部に抜擢することまで考えて教育をするつもりでしょうか。
日本の社会が、今まで科学技術者を使い捨にしてきたように、海外勤務の人たちも特殊技能者のように使っていたような気がします。
海外で活躍している人に水をさすようなコメントで申し訳ありません。私も、アメリカで研究者として働き、日本に帰って定年まで勤めましたので感ずるところがあり、意地悪を言うもりではありません、ご了解ください。長文のコメントで申し訳ありませんでした。
aoさん、

海外で転職されるのはいろいろと手続きや法律、習慣の違いなどご苦労が多いでしょうね。

頻繁な転職が会社からネガティブに取られるということはあるでしょうが、これからはより流動化が進むのは避けられないと思います。
spaceglowさん、

いただいたコメント、まったくネガティブに捕らえたりはしていませんので、ご心配なく。

海外畑が長すぎると出世に不利になるという傾向は会社にもよりますが、多少あるように思います。これは本社中枢からの距離が遠いということから起こりえます。やはり、上の目が届くところで活躍しないとなかなか抜擢されにくいのが現実でしょう。

ただ、国際的に進出している企業では、逆に海外経験がないことが弱みとして出世の妨げになるということもあります。

最近は若いうちに海外を経験し、その上で本部で中核人材として活躍し、トップに抜擢されるというパターンが定着しつつあります。ソニー、キャノン、トヨタ、国際的な企業のトップの多くは海外勤務経験があります。

私の勤務する企業も売上の大半を海外で稼ぐような会社なので、日本市場しか知らないのでは、正しい意思決定などできるわけもなく、トップには不適格です。市場のグローバル化が進む中、この傾向は今後も強くなると私は考えます。

ですから、海外勤務して苦労して報われる人は今後は増えていくのではないでしょうか。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://europewatch.blog56.fc2.com/tb.php/29-ed95a680

FC2ブログランキング

My Profile

TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

Calendar
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック
Blog Link

その他Link
ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。