Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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ご存知の通り、オランダでは安楽死が合法である。といってもこれまで特に身近なところで話をきいたことはなかったのだが、先日こんな話を聞いた。

会社の同僚の友人のオランダ人のお父さんが、先日癌でなくなったのだが、医師も手の施しようがないほど病状が進んだので、最後の数日は自宅に帰って療養していた。しかし彼は痛みのあまり生きる気力を失ってしまい、最期は自ら安楽死を選んだのだそうだ。毎朝起きるたびに「また目が覚めてしまった」と嘆いていたという。まだ62歳だった。

オランダにおける安楽死は、病状が手の施しようがないほど末期まで進み、痛みなどの苦痛が耐えがたい場合に、本人の同意の上で医師が安楽死のための処置を施すことが認められている。逆に本人の同意がない場合や、末期の病気であると認められない場合には許されない。

日本をはじめとする大半の国では安楽死は法律で認められていないが、オランダでも合法化されたのはつい数年前。ただ、それまでにもすでに安楽死は実際の医療の現場では行われていたそうで、むしろ無法な安楽死が隠れて横行することを防ぎ、より健全化させる意味があって合法化に踏み切った。国民も特に騒ぐこともなくすんなり受け入れる素地があったようだ。

日本であればたとえ本人が死を望むとも、延命措置を施すことが優先される。62歳の若さで家族を残して死を望まなければならないほどの苦痛。私には計り知れないが、一方で安楽死に合意しなければならなかった家族の心の苦しみはいかばかりか。医師の立場からも、心境には複雑なものがあるだろう。しかし、それでもなお、私はオランダのような権利と自由をサポートしたい。
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コメント

そうですね~~。
死ぬも生きるも地獄の場合・・本人に選択権が有れば良いな~~と思います。
いき続ける事が大仕事になる事も沢山有りますから・・・。
他人に迷惑を掛けていると思いながら・・生かされるのは・・・苦痛かな~~と思うのですが。
今元気に生きてるから、冷静にコメをかけるのでしょうけれどね。
死に時、って有りますよね。(たぶん)
華さん
オランダの安楽死は実際に痛みなどの苦痛がないと認められないようですが、物理的に痛みがなくても死にたい場合もありますね。尊厳死はそれにあたると思うのですが、法的にも道徳的にも、医療倫理的にも難しい問題ですね。自分ならどうしたいか、考えてしまいます。
生命維持装置の切断と安楽死
私はある大学病院の医学倫理委員会の委員をしていますが、今、日本では、一度装着した生命維持装置の使用中止基準についてやっと議論が始まったところです。
日本では、患者自身の維持装置使用中止の意志が確認されても、実質的には、医療管理機関や、家族の許可が得られなければ、患者の意思は無視される原案がほとんどです。
この件について、アメリカの複数の州の例を見てみると、患者の意思を尊重するため、家族や、医療にあたった関係者を除き、第3者の審査期間の決定にゆだねるような制度を作っているようです。
オランダの場合には安楽死ですからもっと難しいと思いますがどうでしょうか。
この件について、英語のwebがあればURLをお教えください。
Spaceglowさん
生命維持装置の停止ですが、もう20年も前、脳腫瘍摘出手術の失敗で意識不明で植物状態になった私の祖母の生命維持装置を私の父親などが医師と同意の上、停止させたことを鮮烈に覚えています。

重い病を患っている患者は意識がしっかりしていない場合も考えられますので、アメリカのように公平な判断を下せる第三者が介在するシステムは人権保護の観点から有効だと思います。ただ、日本的考え方では家族のプライベートなことの判断を第三者に委ねるなどということはなじまないように思いますね。

浅学のため、英語のURLはよく調べておりませんが、安楽死の英単語 euthanasiaでWikipediaあたりから見られてはいかがでしょう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Euthanasia
です。
有難うございました
TIさんの貴重な体験をお話いただき有難うございました。
残念なことですが、日本の現状は、患者,医師、家族との信頼関係だけで医療は進められなくなりました。何かあれば社会問題にしようとするメディア、問題化を恐れる病院管理者、監督官庁、親族間の利害関係など、必ずしもトラブルが起るわけではありませんが、いわゆる、医師と家族の善意の「合うんのこきゅう」での医療がむずかしくなりました。
Spaceglowさん
あうんの呼吸とのことですが、たとえば欧米であれば家庭医というのがいて、各家庭に密着した医療を提供するという制度、習慣があります。それが優れているとは言いませんが、日本ではそういった制度がなくて、大病院至上主義であり、医師と患者の距離が遠いのかもしれませんね。

なお、私の祖母ですが、脳死と判定されての生命時装置のストップであったことを付け加えさせていただきます、念のため。

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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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