Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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人間、三歳まではあらゆる言語の音をききわけ、脳の言語音声回路のシナプスが増え続けるが、それを過ぎると今度は使わない無駄な回路を次々と消していってしまうそうだ。そうすることにより、脳における作業の無駄が省かれて効率よく言語を習得できる。余分な音は余分な音として認識され、無視するようにできているわけだ。

日本人が日本語の音だけで育つと、RとLの発音が区別できなくなったり、CiとShiの音声の違いが識別できなくなるというのは、こうした理由による。本来異なる音のはずだが、日本語の音声回路では同じ音として認識されてしまう。英語には不都合だが、日本語の理解にはむしろ便利なのである。

私の知り合いで、アメリカでドイツ人と結婚した日本人がいる。
その人はアメリカ暮らしが長いが、奥さんは子供にドイツ語を教えた。母子間はドイツ語でコミュニケーションする一方、本人は英語力を高めるために、あえてドイツ語を捨てた。意図的に耳からシャットアウトしたのである。そうすると、自宅でドイツ語がいくら聞こえてこようと、耳にも頭にも入らない。

その人が最近家族でドイツに引っ越してきた。ドイツで生活することになり、本人はドイツ語を習得すべく勉強を始めたが、いくらやっても覚えられない。耳で聞いたことが頭に残らないのである。老化もあるが、どうも脳がドイツ語の音をシャットアウトしてしまう癖がついて抜けないようだとは本人の分析である。ドイツ語は聞き流すべし、という回路が脳の中にできてしまっていたのだろうか。

これとは少し違うが、私も似たような経験がある。英語であれ、ドイツ語であれ、周囲のおしゃべりをシャットアウトして、音声として認識できないようにすることができるのだ。何か物事を考えているときなど、周囲が日本語で話していると話の内容が分かってしまって集中できなかったりするが、外国語であればたんなる雑音として聞き流すことができる。その間周囲が何を話しているかは分からない。逆に言えば、外国語を意味のある音声として聞く場合、その会話に集中する必要があるので、エネルギーを余分に消費する。だからミーティングやパーティなどで一日中英語で話していると疲れの度合いも変わってくる。

「一日何分か英会話を聞き流すだけで英語がうまくなる」という勉強法があると広告などで目にするが、果たしてどの程度効果があるのか。音に慣れることで発音やアクセントなどを良くするという効果はあるのかもしれないが、聞き流すと意味は分からないし、集中しない限り何度聞いても分かるようにもならない。逆に、聞き流すことが癖になると、真剣に会話することの障害になりはしないのだろうかと思ったりもする。

言語習得には、脳の中に音と意味(と文字)をつなげる回路をできるだけたくさん作ってあげる必要があり、勉強するにもこのあたりのバランスを考えながら学習する必要があるのだ。
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コメント

3歳の脳がほしいです・・。
私は今英語を覚えたくて、bbc、cnnなどを聞いたりするのですが、まだまだ、「ただの音」としてしか聞こえません。ただ、ものすごく集中してるときだけちゃんと意味が分かったりします。
聞き流すだけの英語教材は、私も効果に疑問があります。聞いた単語などをすぐさま意味を調べて記憶する、といった作業をいつもやってれば別かもしれませんが・・それは「聞き流す」とは言いませんものね。
私はいつも日本語で思ったことをその場で英語に訳してみようとして、友人にウザがられてます(笑)
人間の感覚器の情報を選別する機能というのは、我々の想像を超えた精度があるはずですので、シャットアウトしてしまうというのは、確かにありそうですね。ところで、真偽のほどは定かではありませんが、以前『発音できない音は聞きとれない』と言っている人がいました。少し考えると、科学的には根拠はなく、それはちょっと違うんではないかなとその時は思いました。でも、もう少し考えると、理屈ではわからないけれど、なんとなく経験的にはそんなことはあるのかなと思います。時々、そのことを思い出すと、確信に近いものを感じるときもあります。TIさんは、楽器を弾けるので、そんなところと同じではないでしょうか。マイクとスピーカが同じ構造であることにも似ていると思います。今回のその方も口を動かしてしゃべる習慣を繰り返していると、ある時、突然、アメリカ時代シャットアウトしていた音がはっきりと蘇ったりして、、、そんなことがあったら、すごいですよね。
amyさん
ニュースは聞き流しているとなかなか意味まで聞き取れるものではありませんね。話題が幅広いのと、語彙が結構難しいので。普段の会話とビジネスの会話、旅行会話、そしてニュース英語、それぞれ特徴があるというか、使われる英語の種類が違うので、自分が英語で何を分かるようになりたいのか、方向性と目標をある程度はっきりさせてから勉強するのが効率がいいと思います。
aoさん
『発音できない音は聞きとれない』。うーん、もっともらしい話ですね。でも、フランス語の鼻濁音とか、聞き取れても発音できない音はいくらでもありそうです。だから、私は逆に、『聞き取れない音は発音できない』というのが正しいのではないかと思います。やはり自分の耳に聞こえない音は発音できませんからね。
語学、と思うと思うだけで引いてしまうので・・・
会社では、ラジオ第2を流し続けています・・所謂聞き流しです。レベルが低い話しで、申し訳有りませんが・・たまにドイツ語も、大学時代に覚えた単語が出てくると・・・判る~~と喜んでいます。やはり聞かないよりは耳に刺激を与え続けた方が、そして単語を覚える努力を続けた方が・・・良いように思いますが・・・。本当に僅かしか定着しませんが・・・。
華さん
そうですね。耳に刺激を与え続けたほうがよいというのはその通りでしょう。また、単語を覚える努力は語学習得のためには必須ですね。ただ、一方で私は言語習得は「短期集中」だと経験的に思います。長い時間なんとなく勉強するより、短い期間でも集中的にやるほうが効果が高いです。ただし、それも時間がたつと忘れてしまうので、維持する努力は必要ですが。結局、継続は力なりということでしょうか。
はじめまして。いつも興味深く拝見させていただいています。

私は、8ヶ月の娘のシナプスが増えるようにサポートしたいと考えている者ですが、様々な言語が飛び交う状況を手放しで喜んでよいものだろうかと、疑問を持っていました。と言うのは、私は日本語、夫はハイジャーマンで娘に話しかけ、夫婦間の会話は英語、周囲話されているのは専らバーゼル訛りのスイスジャーマンといった状況だからです。国際結婚だと子供の言語習得が遅れる、と聞いたこともありますが、果たしてどうなのでしょうね。色々と考えされられます。
ハイジさん、
コメントありがとうございます。マルチリンガルの環境に育つと言葉が遅れるというのはあると思います。なぜなら、マルチリンガルの環境では一つの言語にさらされる時間が分散されてしますからです。一日中日本語で育つ子供と、半日日本語、半日英語で育つ子供とでは、前者の方が日本語が上手になるのが早いのは当然です。ただ、幼い頃の少しの遅れはいずれ取り戻せるものだと思いますので、小さいうちはさほど気にせずとも大丈夫だと思いますが。

私のかつての知り合いでドイツ人とフランス人のハーフの人がいました。奥さんがスペイン人で子供が二人いました。お父さんはドイツ語で、お母さんはスペイン語で子供と話し、学校はフランス人学校に行かせていました。子供が混乱しないか?と聞くと、多少単語が混じったりするけれども、大丈夫とのことでした。ポイントは、両親が子供たちと話すときに特定の言語に決めて、それを変えたりせずに続けることだそうです。そうすることで子供は言語をスムーズにスイッチできるようになるとか。スイスはマルチリンガルの国ですから、言語についての教育はしっかりしていそうですね。

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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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