Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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日本では不二家の品質問題が話題になっているようだが、これで思い出したのが昨年の夏イギリスで発覚したCadbury Schweppes社のチョコレートのサルモネラ菌汚染問題。Cadbury Schweppes社はイギリスでDairy Milkというブランドのチョコレートを100年以上販売している老舗中の老舗。昨年春に発生したサルモネラ菌感染源が同社バーミンガム工場で製造されたチョコレートであったことが昨年6月に判明し大量のチョコレートが回収された。事件発覚前後の経緯はこんな感じ。

 2006年春、サルモネラ菌感染が異常発生。
 6月、感染したサルモネラ菌がCadbury社の製造ラインから発見されたものと同じものであることが判明。14ブランドが回収される。
 製造ラインで汚染を発見したのが同年1月で、汚染事実を半年も隠していたことが発覚。
 原因は製造ラインに近接するパイプの漏れにあり、そのパイプはすぐに修繕されたので感染は最小限に留まったため、人体への影響は軽微と判断したとのこと。
 ところがその後2002年にも同様の感染があったのに、同社がその報告、公表を怠っていたことが発覚。

このあたりの経緯はchichiさんの「いぎりすせいかつ」にも取り上げられている。
これだけでも十分だが、さらに3-4日前にはこんなニュースが。

CADBURY 'SORRY' OVER CHOCOLATE BAR MOTH– YORKSHIRE POST TODAY

これはCadbury社のチョコレートバーに「蛾」が混入していたというもの。子供が半分くらい食べてから気付いて母親に報告して問題が発覚した。

これだけ色々と発覚しても同社は製造を止めるでもなく、社長が辞めるでもなく、通常通り営業を続けており、さらに驚いたことに昨年12月にこんな発表までしている。

CADBURY SCHWEPPES WINS QUALITY OF MARKETING AWARD AND LEADS SECTOR IN BRITAIN'S MOST ADMIRED COMPANIES SURVEY
01 Dec 2006


英国企業大手220社による投票で決まる「イギリスで最も尊敬される会社」ランキングで同社が、「品質」「優れたマーケティング」など9つのカテゴリーで上位にランクされたというニュースを自社のウェブサイトで誇らしげに発表している。

サルモネラ菌汚染で多くの感染者を出し、汚染の事実を過去に渡って隠していたことが発覚したのに、半年後に賞を授与されてそれを声高に発表する・・・。日本ではおよそ考えられないことである。方や不二家は特に被害者が出ていなくても、社長辞任だけに留まらず、倒産まで取りざたされている。不二家の追い込まれている状況というのは、イギリス人にはおよそ理解できないのではないだろうか。

社会には鈍感な部分と敏感な部分があって、日本社会はこうした品質問題には異常に敏感(おそらく世界一)。一方で欧米でうるさい人権問題などには鈍感であり、こうした違いが社会のあり方を規定していくのだろう。

サルモネラ菌に汚染された人気のチョコレート
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コメント

すご~~~い。
ブログの設定、変えました~?驚き!!!
実は、主人天然添加物の会社でお世話になっています。
この世界、とても厳しいんです。
しかし、日本人、こんなに食品を厳しく管理して繊細な感覚で判断して、軟弱にして・・・どうでしょうか???インドで遊んで来た者にとって、賞味期限よりも個人の判断力をつけた方が良いのでは・・・とも思うのですが・・・。サルモネラ菌も、生食では問題ですが・・・体力が弱っている人は、全て加熱するとか・・・・何だか、何処まで安全保障を求めるのか・・・不思議な感じが致します。不二家が廃棄した、安全な御菓子・・・・勿体無いなあ~~~。と思うのですが・・・平和ボケでしょうか?
華さん
年も変わったのでちょっと雰囲気を変えてみました。前より見やすいのではと思います。

そうでしたか、食品関係のお仕事でしたか。ほんと日本の品質管理は厳しいですよね。マスコミの反応なんかちょっとヒステリックで行き過ぎはないかと正直思います。おっしゃるように、日本人は何事にも自己責任という観点が弱く、社会や国が自分たちを守ってくれて当然といった感覚が支配しているように思います。これは一歩日本の外に出ると通用しません。苦労します。

イギリスが食品衛生問題に関心が低いのも逆に問題ですが、日本の潔癖症もちょっとどうかと思います。
TBありがとうございました。
我が家でも、この不二家の件とCadburyの件、比較して話題にしてました。期限切れの材料がどれくらい危険だったのかわかりませんけど、サルモネラ中毒という実害を出したのと比べると、なんだか日本の騒ぎが日本らしいというか何と言うか(苦笑)。不二家もイギリスにいたら、こんな騒ぎにはならなかったのになんていう結論でした(^^ゞ。
Cadburyの事件のときの、一般消費者の冷静さは私にとって未だイギリスの謎の一つですけど、外から見ると日本の食を巡る騒ぎ(納豆も含む)も、日本の興味深い一面です。
chichiさん
Cadbury事件の時は本当に誰も騒いでいませんでしたよね。日本だと翌日には店頭から完全に姿を消していておかしくありませんが、イギリスではしばらくそのままの小売店が多かったと聞きます。彼らにしてみれば、リコールして引き取るのはメーカーの責任で、知らずに買うのも消費者の責任。販売店は我関せずという感じだったのではと推測します。消費者もそうですが、日本は流通側の反応も過敏ですよね。

ただ、一方で、Cadburyの無責任体質はこれ、しっかり糾弾されてしかるべきだと思います。
ブログのデザイン明るくていいですね。私はこちらが好きです。
日本とイギリスの消費者の比較から、いろんなことを想像してしまいました。
日本人は信じていたのに裏切られたという気持ちを強く持つような気がします。イギリス人は、時間が経てばどんな問題も解決していくはずだという前提がありそうです。
日本の方はメーカーと消費者の距離が非常に近いような気がします。
日本には食の鮮度へこだわってきた文化があるのでしょうかね。
(デザインが変わっていてビックリしました。こちらの方が確かに文字は読みやすいです。)
 日本の不二家の事件、最初に報道されたとき、別に誰も腹痛とかおこしていなやん、と思っていました。
 するとあれよあれよというまに、隠蔽だ!!社長交代だ!!雪印の二の舞だ!!といった報道がされ始めました。
 期限切れで不衛生な状況だったかもしれないけど、やっぱり誰も腹痛もないやんと思っていたのですが(以前にはあったみたいですが・・・)、なかなか自身のブログでその意見を公表するのも躊躇するというところでした。
 イギリスの事例を知ってなんだかほっとしました。
 テレビ番組では、納豆で痩せると放映していた番組(「納得、あるある大辞典Ⅱ」)のデータ、インタビュー報道が実は取材なしだったということが分かって、番組の単独スポンサーだった花王がそのスポンサーを降りるという事が起こっています。報道の信用性を害した、信頼を損なったということなんでしょうけど、不二家も「信頼」を「裏切った」ということでの批判なんでしょうかねぇ。批判に対して受け止めるというポーズが、辞任、撤退、撤去という形であらわれる。
 イギリスの事件の場合との比較、非常に興味深く考えさせられました。
 イギリスでは、こんな菓子を流通させて!!しかも直ぐに公表しないなんて!!という批判そのものがないんでしょうか。ただ、報道されているということは、問題ではあるという評価はあるんですよね、たぶん。うーん、興味深いです。
企業の隠蔽体質
驚きました、イギリスがそんな社会とは知りませんでした。
あいまいな知識で質問をして申し訳ないのですが、狂牛病発症の地はイギリスではなかったでしょうか?このとき、病原の拡大に隠蔽が原因となった事実は無かったのでしょうか。
アメリカの場合、同種の事件に関しどのような反応になるのでしょうか?
aoさん
確かに日本人の食品の鮮度へのこだわりというのは、すしやさしみに代表されるように、非常に高いものがあると言えると思います。日本の方がメーカーと消費者の距離が近い、これもあたっていると思いますよ。私がCadburyの件で最初に思ったのは、小売店や流通の反応が鈍いのではないかということでした。こう言っては何ですが、小売店の末端までいくと、イギリスというのは品質にあまりこだわりがないという気がしていました。予想通り、Cadburyの事件が発覚しても、メーカーが回収にくるまでは店頭にそのまま、なんていう例が多かったようです。小売店にとっては自分たちの責任ではない、という意識があるようですね。そういう意味でメーカーの意思は消費者に伝わりにくいのかもしれません。

イギリス人の考えの前提には、間違いは誰にでもあるものだから、それに目くじらを立てるよりも、間違いがあることを前提に、自分で自分を守るすべを考えておく、という考え方があると思います。
マツイさん、
お久しぶりです。

イギリスでももちろん批判はありました。だから記事にもなっていたわけです。ただ、表立って批判しているのはWatchdogと呼ばれる消費者団体で、マスコミはそれを客観的に報道する、といったスタンスです。良いか悪いかはマスコミではなく、消費者が決めんだ、そういう姿勢が報道に感じられます。そういう意味で成熟しています。

上のコメントにも書きましたが、イギリス人の考え方には、「誰でも間違いは犯すものだから、それを前提に対策をとっておこう」という前提があると思います。だからそもそも完璧を人に求めることはありません。失敗には寛容で、その代わり自己防衛責任を求められる社会なのだと思います。アメリカはそれに近いと思います。

日本が危なっかしいなと感じるのは、誰かが火をつけるとそれが国民全体に一気に広がり、エスカレートすることです。相手に完璧を求めて、失敗すると非難の嵐。再起不可能に追い込まれます。それが怖いから隠蔽する。悪循環です。細かいことに目くじらを立てて、よってたかっていじめる。どこか少年少女のいじめ問題にも共通するものを感じます。何を日本人はそんなにストレスをためているかなと思いますね。
Spaceglowさん
これだけをもって、イギリス社会が隠蔽体質ということは言えませんが、上にも書いたように、失敗には寛容ということと、食品の品質に日本人ほどこだわらないこと、また流通とメーカーの責任が切り分けられていて、流通は品質に責任を持たないので、日本で多発したような返品、撤去という動きは起こりにくいことなどが挙げられると思います。

アメリカで起こるだろうことを想像するに、団体訴訟から個人訴訟までたくさんの裁判が起こりそうですね。でも、米国の消費者は日本よりも多様でばらつきますから、こうした問題には反応も様々で、日本のように誰も彼もがアンチ不二家とはならないような気がします。あと、自己防衛責任や流通の責任感という点ではイギリスと共通点が多いですね。
コメントをありがとうございました。
なるほど、マスコミの報道の仕方の差が大きいのかもしれませんね。
「よいか悪いかはマスコミではなく消費者が決める」
そうですよね。
また、「誰でも間違いは犯すものだから、それを前提に対策をとっておこう」というのも本当にもっともなことだと思うのですが、良い意味でも悪い意味でも、信頼しきって預けてしまうところがあるということなんでしょうね。
いつもながら、本当にいろいろと考えさせれて参考になりました。ありがとうございました。

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不二家株式会社不二家(ふじや、FUJIYA CO., LTD.)は日本の菓子メーカーである。また同名の洋菓子店チェーン及びレストランをフランチャイズ展開している。キャッチコ
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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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