Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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OECD(経済協力開発機構)が9月に発表したEducation At a Glance 2006には、OECD加盟30カ国の教育の状況を様々な統計で比較しており、興味深い。

1. 15歳における数学の能力で言えば、日本はフィンランド、韓国、オランダについで4位と好成績である。
2. 日本では学校間の学力差が大きく(トルコ、ハンガリーに次ぐ3番目)、学校内部での学力差は小さい。-->入る学校で学力が決まる傾向が強いわけで、日本の受験戦争を激しくしている要因だろう。
3. GDPに対する国家の教育予算のパーセンテージで日本はOECD平均を大きく下回る。-->国の経済規模に比して教育にお金を使っていないとのことだが、これは少々意外だった。
4. 中学校における一クラスの人数は日本は33.8人と、韓国についで世界で二番目に多い。OECD平均は24人で、30人を超えているのは30か国中5つのみ。-->私がイギリスやアメリカで驚いたのは一クラスの人数の少なさである。外国に出て初めて、日本のクラスの人数の多さに気付いた。欧米ではクラスサイズを非常に気にする。大きすぎると教師の目が行き届かないと考えられているのだろう。日本では教師が生徒のいじめに気が付かないということが増えているが、クラス人数の多さが関係していないか。
5. 教師のサラリーは世界でも5位と高額。
-->日本で教師が裕福だとは思えないが、世界レベルでは高額になるようだ。これは上に挙げた、クラスサイズの大きさにも関わるのかもしれない。日本は教師の数が足りないので給与も高めだとはいえないか。ただしこれが当てはまらない国もある。ルクセンブルグの教師の給与は日本の1.6倍と、世界でもずばぬけて高額だが、クラスサイズは20人足らずと、OECDで5番目に小さい。ルクセンブルグは教師天国なのだ。
6. 中学校における年間授業時間数は日本は世界で最短。世界平均700時間に対し日本は534時間。-->しかし、これが教師の実際に働く時間となると状況は一変する。日本では教える時間よりもその前後、準備や研究に当てる時間が長いという結果だ。
7. 日本では女性の大学進学率が低い。女性における大学の学位取得者の比率はOECD平均54%に対して日本は41%。-->日本は女性差別の国だといまだによくヨーロッパ人に言われるが、残念ながら教育統計にもその差は歴然と表れているようだ。

以上、ざっと日本の気になったところだけ挙げてみた。こうしていろんな基準で比べて見ると、やはりフィンランドやアイスランドといった国の教育体制が最も充実しているように見える。日本は学力は高いが、教育インフラは豊かとは言えないようだ。もっと詳しい内容を見たい方はOECD加盟国全体の統計分析に加え、国別のレポートも出ている。

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コメント

海外で暮らしたことがないので、別の国の事情と日本の事情を自ら比べるという視点がないのですが、
このようなレポート?が出されているんですね。
またまた興味深く今回の記事を読ませていただきました。
イギリスは1クラス30人を超えてはいけないと法律で決まっているんですよねぇ。Year 1の娘のクラスは17人しかいません(私立校に通っていますが)。
授業時間、日本が最短っていうの驚きました。イギリスは土曜日も休みだし、ハーフタームはあるし、休みばかりだなぁと思っていましたから。
松井さん
海外で暮らしてみて、海外の生活や習慣から学ぶことはとても多いと実感しています。逆に日本のよさを再発見することもしばしばです。このブログではそうした話題を中心に取り上げていますので、これからもよろしくお願いします。

さて、このレポートですが、OECDは加盟国の様々な統計をこうしてレポートの形で公開しています。教育だけではなく、経済、労働、生活水準、などなどあらゆるデータがそろっていますので、面白いですよ。
chichiさん
私の娘もつい先日までイギリスの私立小学校でしたが、やはり人数は10数人でした。あと、確かアメリカの幼稚園は先生一人に生徒7人までと決まっていたことも今思い出しました。日本の詰め込み教育というのはこうしたクラスの人数の多さに起因している面もあるのではと思います。工場で言えば大量生産風ですね。

授業時間、私も不思議に思いました。世界最短でメキシコの半分ですから。データは中学生で、教師一人当たりの授業時間なので生徒一人当たりとは異なりますが、それでもちょっと納得いかないように思います。何か統計の取り方にトリックがあるのかもしれません。
おはようございます^^。授業時間数、やっぱり比較すると少ない方なのですね。でも、多くの国が週五日制で、日本のように、土曜日の授業時間がなくなったから学力が落ちた・・という理由を大騒ぎして唱えるのは、私は、ヘンだ、と思うのですが、ならば・・・何が問題なんだろう~?と日本に帰ってきてから余計に疑問が膨らんでいます。先生方の準備時間が多いっていうのも、フシギですよね・・・娘が前に通っていた学校の先生の方がよほど準備の必要な授業の仕組みだったと思うんですよ、日本は、とにかく教科書とか(指導要領とか)に沿って薦めるわけですし。
 人数に関しては、まったく・・・なぜ日本があんなに30人以上のクラスでみんな疑問や不便さを感じないのか、フシギでなりません。
興味深いレポートありがとうございました~!
宇宙和里さん
アメリカなどは小学生の間は比較的楽だけれども、中学生以上になると勉強量がすごく増えて大変だという話も聞きますね。まあ日本は学校であまりやらなくても、塾に通ってますから統計に出てこない部分で授業がたくさんあるといえます。

クラスの人数の多さは私も声を大にして改善を訴えたいです。日本国民がもっとこの重要性に気付いてほしいものです。短期的には先生の人数が足りなくなるという問題はあるでしょうが、少子化の時代、これから取り組めばできなくはないと思うのですが。

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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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