Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
2017/03«2017/04 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 »2017/05
     
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
     
イギリスで10月から年齢差別法 (The Employment Equality (Age) Regulations 2006)が施行された。年齢により雇用や労働機会を差別することを禁ずる法律であり、雇用差別の対象となりやすい高齢者を守ることを目的としている。EUでは以前からEU指令(European Union Directive)として年齢差別撤廃を勧告しており、欧州の主要な国ではすでに施行されている。米国でも40年ほど前から導入されており、今回のイギリスはそれらに従った形だ。日本はその点、まだまだ先進国の流れに取り残されているのが現状だ。

身近な例で言えば、求人広告。日本であればたいてい30歳までとか、40歳までなどと年齢が示唆されているが、これは欧米では完全にアウト。また、企業が応募者の履歴書に生年月日を書かせるのは、イギリスの新法では必ずしも法律違反ではないが、年齢を選考理由にするのは違反である。そうなると、選考に落ちた応募者が企業を年齢差別で訴える可能性もあるため、企業としては生年月日は訊かないのが望ましいとされる。先日私の勤める会社がドイツで求人広告を出すときにも、ドイツ人採用担当者から年齢性別についての記載はご法度とアドバイスされた。実際、人を採用するときに相手の年齢が分かっていたほうが、適性や給与レベル、職務ランクを考慮するときに参考になり、便利であることは間違いないのだが、そもそも年齢を参考にしてはいけないのである。ヨーロッパではこれは常識の範囲であり、ドイツ人からそうアドバイスされること自体が、日本人が年齢差別に鈍感だと思われている証拠でもある。

一般的に日本では、35歳を境に転職の求人ががくんと数が減るが、これはあからさまな年齢差別であり、36を超えた私としては、欧米の考え方に日本も早く変わってくれればいいのにと思ったりもする。とはいえ、こうした年齢差別は日本社会を構成する人とシステム全体の問題であり、法律で差別を禁じたからといって、人々の考えが実際の行動がすぐに変わるわけではない。こうした差別感覚がなくなるまでは何世代かを要するのだろう。
スポンサーサイト

コメント

年齢差別
私の知人にニューヨーク州立大学の教授がいます。
現在74歳で現職です。私の知る限り10年以上前から州の職員には年齢による定年制は違法ということでありません。
この教授は、専門が相対性理論で、1970年以降の厳しかったアメリカの大学の経済事情では恵まれない研究分野でした。研究は主として旧東ヨーロッパの研究者グループとしていました。今では大学で貴重な研究・教育者として認識されていますが、自分では75歳で職を退くことを考えているようです。
日本の社会制度は世界の趨勢を見極め、それより10年以上遅れるのが普通でしょう。
Spaceglowさん
Tenureを得た教授職ならまだ分かりますが、州の職員まで定年退職が違法というのは知りませんでした。それはかなり思い切っていますね。イギリスのこの法律では65歳以上の求職者は断ることができる余地を残しています。日本は一般的に新しい試みに取り組むのが遅いという傾向がありますが、さらに日本社会が年功序列で出来上がっているという事情が年齢差別を生みやすくしていると思います。
おはようございます^^。なるほど~です。たしかに、根が真面目な日本人としては、○歳まで、とされていると、一歳でもちがうと、そこに応募しない・・しづらいですよね。でも、±何歳だとしても、適材適所、年齢関係なく”適している人”がいるやもしれませんしね。定年というのは、ひとつの目安にはなるのではないかと思います・・もちろん20年前の60歳と今の60歳とでは、体力や行動力、自分の体への認識などが違いますから、時代とともに移り変わるもの・として捉えることは必要だと思いますけど。厳しく定年や年齢制限をしなくても、何らかの目安という形では、それほど悪いものとも思いませんが、確かに、年齢で差別か?・・といわれると、↑に書いたように、柔軟性はある方が良いと、思う次第です。
参考にさせていただきました
グーグルの検索にあがり、このブログ記事を拝見しました。参考までに、自身のブログのエントリで紹介させていただきました。
ありがとうございました。
宇宙和里さん
求人を出すときに対象年齢を目安で出すのは分かりやすくていいと思うのですが、年齢だけで切るというのはお互い機会損失だと思いますね。採用はやはり実力と賃金とのバランスで決めるべきだと思います。

定年制も少子高齢化に伴い、60歳というのはすでに現実に合わなくなっていますし、欧州では65歳が標準的です。そもそも定年制度が必要なのか、ないほうが良いのでは?というところまで来ていますよね。高齢化の問題は。ただ、多くの人は人生を60歳で区切ってそこまで勤め上げることを目標としている人も多いでしょうから、60が65に伸びたり、定年が撤廃されたりというのは、日本人の人生観、労働観を大きく変えることになるでしょう。引退時期を自分で決める、そういう時代が来るのではないでしょうか。
松井様
ご丁寧にありがとうございます。法律ど素人の拙文を、法律を専門とされている方のブログで参照いただけるとは面映いですが、よろしくお願いします。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://europewatch.blog56.fc2.com/tb.php/134-1a80400a

FC2ブログランキング

My Profile

TI

Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

Calendar
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック
Blog Link

その他Link
ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。