Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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私の職場にはオランダに住んで国境を超えて通勤してくる人が何人かいる。基本的にEU加盟国の間では国を超えた就業、人の移動は自由だからよくあることなのだが、内情は色々と複雑である。

たとえば同僚のオランダ人。彼はオランダ国籍を持っているが、給料はドイツで出て、ドイツ政府に納税し、社会保険料もドイツで負担している。しかも彼は以前はオランダでも働いていたので、将来リタイヤしたときには年金はドイツとオランダ両政府から支給されるのである。また、健康保険料はオランダのほうが格安なのだそうだ。だから、彼がドイツで医者にかかっても、彼の保険料負担は他のドイツ人患者よりも安くあがる。しかし、もし彼がドイツで住民登録してしまうと、ドイツ人と同様の条件になってしまうのだ。

他にも、たとえばお金持ちの小国ルクセンブルグは、西欧でも年金や社会保険がとても手厚いことで知られる。だから有利な条件を求めてお隣のフランス、ドイツ、ベルギーといった国から越境労働者がたくさんきているのである。国境近くに住んでいるのなら、そういう国ごとの法的条件の違いをうまく利用して自分に有利な条件で暮らすのがヨーロッパにおけるかしこい生き方なのだ。

多くの国が国境を接し、その間の移動の自由が認められているEU。しかし、物理的な国境がなくなった今でも、国ごとに税率や社会保険制度が異なり、その複雑さはわれわれ日本人の想像を超える。そして人々はできるだけ有利な条件を求めて国々の間を動くのだ。こうした動きは今後も加速するだろう。このような地域は世界でも類がなく、EU統合が世紀の大実験とされるゆえんである。
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コメント

お話を聞くと本当によくEUが纏まったったものと思います。
太平洋アジア圏の現状を見るとなおさらです。

ヨーロッパを旅行して感ずることは、消費税の使い方です。特に、非EU圏の旅行者は取られっぱなしで何の恩恵も受けません。イタリアやスペインなど旅行者の多い国はは丸取りで潤っているように思いますがどうでしょうか。
カナダは、非居住の旅行者は申請すると買い物ばかりでなくホテル代などの滞在経費にかかった税金も返してくれます。(航空券、レンターカーはだめだったと思いますが)
これがフェアーと思います。ヨーロッパは16%以上と大きいですから特に不合理と感じます。
アメリカでも州によって税率や使い方が違います。このことからでも、日本人が国際感覚になじめない特殊な環境におかれていることが思われます。
spaceglowさん
ヨーロッパでも消費税(こちらでは付加価値税VAT)の還付は受けられます。買い物をしたときに申請書を書いてもらえば空港などのVAT Refundで返金してくれます。面倒なので、高額商品の買い物をしたとき以外はやらない人が多いですが。

地続きの国境がない日本では、国と国が交じり合う感覚というのに、どうしてもなじみが薄くなります。この複雑さが様々な文化や社会心理、現象を生み出してヨーロッパらしさの一つとなっているのだと思います。

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Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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