Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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気温36度の京都から、18度のドイツへ。こちらは早朝は12度まで気温が下がり、肌寒いほどである。先週ルーマニアに出張していた同僚によれば、ブカレストでは気温が42度の猛暑で、それがもう6週間も続いているとのことだった。同じヨーロッパでありながら、西と東とで30度もの温度差。異常である。

今回ドイツに戻ってきて感じたことの一つが、「静けさ」だ。街を見渡しても、歩いてみても、ドイツには東京のような賑わいはまったく感じられない。なぜか。以下考えられる理由である。

- 東京のように人口が集中していないため、人口密度が低い。
- ドイツはこの時期バカンスに出る人が多く、さらに閑散としている。
- 店先や店内から音楽が聞こえてこない。
- 選挙カーがない。

東京は人や車が多い上に、お店などではがんがん音楽が流れているのが普通だ。こちらではむしろそれは珍しく、店もレストランもBGMは流していない。また、拡声器を使った選挙活動も法律違反だ。どこもかしこも音の洪水(時に暴力的な)の東京から来ると、ドイツはどこも静かで、ほっとする。ただ、その裏返しとして、生活騒音も含めた音には敏感で、異常なまでに気を使うのがドイツ人気質なのである。
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二週間の日本滞在が終わった。最初の週は仕事がらみで、後半はプライベートの休暇だった。会社の人、社外の人、かつての上司や留学仲間などにも会い、初対面の人だけで40人くらい、全部で50人ほどの人に会っただろうか。彼らからは、自分の性格や能力、自分の置かれている社会環境、仕事の状況、人生の目標といった面でいろいろと新たな知見を得、反省をさせられることも多かった。

一方で久しぶりの京都も楽しんだ。思春期から青春時代をすごした京都は私にとっては故郷同然。人生のほとんどを海外で過ごし、寺社仏閣を知らない娘に少しでも日本文化を教えてあげたいという気持ちから連れて行ったが(気温36度。ちょっと暑すぎた)、実際に一番楽しんでいたのは、私たち親であった。学生当時、抹香くさくてつまらないと思っていた京都が、海外暮らしが長くなった今、鮮やかに見える。ここであればヨーロッパの名だたる観光地に引けをとらないと。いや、観光地として海外を見習うべき点はまだたくさんある。市内各地に散らばる観光地を手軽に回る周遊手段(ヨーロッパの観光都市には必ずあるCity Sightseeing Busなど、簡便な観光方法である)の整備とか、歩行者天国の充実とか(祇園花見小路に車がバンバン入ってくるのには参った)、外国人観光客を(もっと)意識した街づくりなどである。でも、素材のすばらしさはまさに世界レベル。他国にマネできるものではない。こういう文化遺産をもっと生かして日本文化のすばらしさを世界に知らしめたいと改めて感じたものだ。

ともあれ、今回の旅は自分の人生を見直す上で様々な示唆を与えてくれたし、自分の原点にも戻れたことで、いわば自己再発見の旅となったように感じている。将来、自分の人生を振り返ったときに、あのときが一つの分岐点だったのではと思うのではないか、そんな時間を過ごした二週間だった。

明日はいよいよフランクフルトに向かう。
     
日本に来て一週間を過ぎて痛感していること。それは東京が「人を歩かせる街」だということ。ここ数日、本当によく歩いている。銀座、新橋、日本橋、有楽町、八重洲、丸の内、日比谷、赤坂、六本木、水道橋、海浜幕張と、地上地下、昼夜を問わず人に会うために歩き回っている。普段ヨーロッパでは車での移動がほとんどで、一番距離を歩くのが空港でゲートに向かうときという生活を続けていたせいで、足はなまっている上、今回帰国直前に靴を新調したため、足は水ぶくれと筋肉痛で悲鳴をあげている(今回の教訓:東京でははきなれた靴を履くこと)。これに加えて、むしむしとした天気にスーツ、ネクタイ姿で歩き回るので、汗も結構かくから、結構いいダイエットになる(食べる量も多いが)。

欧米に比べ、東京に太った人が少ない理由の一つは、普段から東京人の運動量が欧米人に比べて桁違いに多いからではないだろうか。明日は荷物を抱えて京都に向かう予定。(ああ、足が痛い。)
     
日本の飲食店の多さには毎度驚く。本当にこんなにたくさん、経営が成り立つのだろうかと思うが、日本(東京だったかも)は人口一人当たりの飲食店の数が世界一ということらしい。飲食店の業態も様々で、普通のレストランはもちろん、カフェでも軽食を出すし、居酒屋に屋台、バーにすし屋に小料理屋まで、大小よりどりみどり。バラエティも世界有数だろう。(料理の多国籍ぶりではロンドンが世界一と聞いたことがある。)

でも、食べる量が日本人だけが多いわけもなく、これはすなわち一店舗当たりの供給量が少ないことを意味している。しかしメニューはとても豊富である。ということは一品目あたりの売れ行きも少ないということだ。小料理屋なんていう小さい飲食店がたくさんあるのは日本ならではだろう。店が小さい割りに、店員はたくさんいたりするので、店員あたりの客数も少ないだろう。

一店舗あたりの上がりが少なくて、しかも一品あたりの売上も少ないということは、経済的に見れば効率が悪い。欧米であれば店はもっと大きいし、メニューのバラエティも限られているのが普通だ。でないと経営が立ち行かない。ロンドン北部のブレントクロス(Brent Cross)に大きなショッピングモールがあるが、ここには飲食店が二つしかなかったことに驚いたことがある。日本なら10を超えるレストランがあってもよいところだが、それでも結構すいていたものだ。ちなみに日本でよく見られる、レストランに入るために並ぶという光景、イギリスではめったにお目にかからない。

小さな飲食店がひしめく日本、どうやってみんな経営が成り立っているのか、仮説を考えてみた。

1. 日本人は外食率が高い。
2. 小さい店は客の回転率が早い。(客が長居しない。ヨーロッパでコース料理を頼めば3-4時間かかる。)
3. 食材を小口でも安く仕入れることができる流通市場が確立している。
4. 狭い店でも日本人は気にならない。
5. 日本人は夜など、小さいお店をはしごする習慣がある。
6. お店を夜の数時間しか空けずに、昼間は別の仕事をしている。

仮説なので、調べたわけではなく間違っているかもしれないし、他にもあるかもしれない。とにかく、新宿にしても新橋にしても、各駅前、これだけ多くのお店がひしめいていてそれぞれつぶれずに経営されているもところに日本的なものを見るのである。
     
先週末日本に戻ってきたのだが、いきなり台風に出くわし、月曜には地震ということで、天災大国日本を思い知ることになった。西ヨーロッパは台風もなければハリケーンもなく、ましてや地震など体感することはまずない。イギリスでは洪水被害がちょくちょくあるが、あれは堤防がまったくといっていいほどないためで、日本の洪水や土石流に比べればのどかなものである。

家族を神戸に残し、私は東京でMBAの後輩数名とささやかな同窓会をしたり、会社の保養所で数日間缶詰になって研修を受けたりといった今週であった。様々な人に新しく出会ったり、久しぶりに再会したり。フィリピンや中国、アメリカといった世界中でがんばる同じ会社の日本人や、投資銀行などの過酷な競争にチャレンジする後輩、まもなく引退するかつての上司などに会うことで、普段とはまったく異なる刺激を受ける。

ヨーロッパに住んでいると、異文化に触れて視野が広がる一方で、交友関係が狭くなるというジレンマを改めて感じさせられた。仕事以外でつながる友人がほとんどできないのだ。違う世界に住むことで失っているものがある。人生というものは何かを選択して何かを捨てなければならないトレードオフなのだ。そんなことを東京の夜景を眺めながら、一人ホテルの部屋でぼんやり考えている。
     
今日は会社での月例会議の日。全欧から各国のトップが集まり、私が議事進行役を務める。前夜、スイスとイタリアのトップと夕食を共にした。イタリア人は英語がさほど上手ではない(イタリア人は総じて英語があまり得意ではないが)一方、スイス人は英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語を自在に切り替えて話すことができる。英語を中心にドイツ語、イタリア語が飛び交うディナーとなった。最近すっかりお約束のように語られる異常気象も話題に。ギリシャの島でバカンスを終えたばかりのそのスイス人によれば、アテネ周辺では46度を記録するなど猛暑が続き、イタリアのミラノも連日30度を超える真夏日が続いていたようだ。一方こちらドイツは雨が多く、20度にも届かない日が続いている。

会議は午前中にヨーロッパ全体に関わる話題を話し合い、午後には各国の状況を確認する国別のセッションとなった。イタリア人にはおしゃべりが多いと一般的に思われているが、実際その通りで、話題がイタリアのパートになると話が長引いて終わらない。北はアイスランドから東はロシア、ウクライナからイスラエル、南はアフリカまでカバーする会議。これだけの広範囲にわたる議事をまとめるのは結構な労力と精神力が必要。結局朝から夕方まで、ぶっ続けで11時間の長丁場となった。

疲れている体に鞭打って、明日は早朝からオランダに向かう。ドイツもオランダも学校などが夏休みに入ってバカンスシーズンに入っているので、オランダ名物の渋滞がひどくないのが唯一の救い。そして、出張が終われば、この週末からはちょうど一年ぶりの日本である。
     
二週間ほど前だったか、ヨルダン人の元クラスメートからメールが来て、The New 7 Wonders of The World の投票をやっているから、(ヨルダンの)ぺトラ遺跡をよろしくと書いてあった。7 Wonders of The World 。日本語では「世界の七不思議」と訳されているが、これはWonder = 驚異として、「世界の七驚異」とした方が、語感はともかく意味から見ればしっくりくる。かつて定義されていた世界七不思議のうち、現存するのはギザのピラミッドのみ。そのほかは消失してすでに見ることはかなわないため、七つを今選びなおそうというのが主旨らしい。

ともあれ、彼女の教えてくれたURLにアクセスするとそこで投票が行われていた。下の21の候補地から7つを選ぶのである。
     
YMOが好きだった中学一年の夏、私は近所のレコード屋でELO(Electric Light Orchestra)というよく似た名前にだまされて(!)ELOのベスト盤を購入した。サウンドはエレクトリックという名前とは裏腹に、ストリングスを多用したものだったが、ポップなメロディでありながら音作りはとても個性的なもので、耳が慣れればすぐに大好きになった。

当時すでに私の同級生にELOファンが何人かいて、そのうちの一人が「アメリカ風のクイーン」だとELOをたとえていたので、長い間私はアメリカのバンドだと思い込んでいたが、実はイギリスのバンドである。ずっと後になり、ロンドンに住むようになってから、彼らの名曲"Last Train to London"を思い出しては、「どうしてアメリカのバンドだと信じたのだろう」などと考えたりしていた。

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ELOの名盤の一つとされる70年代を象徴するこの一枚(LP二枚組みだったが)、ELOファンの別の親友が"The Whale"が最高だと教えてくれた。聴いてみれば意外にもインスト曲で、どちらかといえば名曲と名曲のはざまのマイナーな曲。でも、ストリングスとシンセサイザーがつむぐ雄大なメロディにクジラの声が絡む、幻想的なすばらしい曲だった。

当時のLPはもはや聴くことができないが、この"The Whale"だけはiPodに入れて、今でも時々聴きながら、中学生にして妙に「通」だった同級生のことを思い出したりしている。
     
ドイツというのは合理的で厳格な国とされるが、それを象徴する事例を一つ。
ドイツのスーパーや家電量販店などに買い物に行くと、商品のパッケージにこんなラベルが印刷されていたり、貼られていたりする。

www.test.de


ドイツには “Stiftung Warentest” (www.test.de)という、コンシューマー商品の評価、テストを行う第三者機関があり、そこが商品をあらゆる角度からテストして、評価結果をウェブや雑誌に公表する。そこでよい点をもらえればメーカーは結果を上のようなラベルにして商品に貼り付けて販売する。消費者はそれを見て、安心してよい買い物ができるというわけ。

上の例は2006年8月に18機種MP3プレーヤーをテストし、そこで2.5点(1点が最高で、6点がワースト)を獲得したという意味。評価される対象は多岐にわたり、食品から家庭用品、電気製品、化粧品など、普段我々が使うようなものはたいてい対象に入っている。評価項目は使いやすさ、性能、品質といった基本的なことから、環境への優しさなども評価されるようだ。ここで評点が悪ければ売れ行きにも大きく響くので、メーカーも必死になり、品質を上げようとするし、消費者も目が肥えてこだわりが強くなるのである。なかなかよい仕組みだと思うが、メーカーはよい評価点を取ろうと必死になるため、評価する団体は賄賂や癒着といったものを断ち切り、評価の中立性を保つことが重要なポイントだろう。

余談だが、ドイツなどの大陸諸国では数字の区切り記号, . の使いかたが英米とは逆になる。1,234,567.89 はドイツでは1.234.567,89と表示するので、注意が必要。上の例は2,5= 2.5だ。
     
ここ数週間のドイツは晴れたり降ったりで気温もあまり上がらない天気が続いているが、南欧は猛暑が続いており、先日トルコの地中海リゾートから帰ってきたばかりの友人によれば、気温は50度に達していたそうだ。日本も梅雨に入り、蒸し暑い季節だが、夏の夜にピッタリのアルバムを紹介したい。

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坂本龍一が名うてのブラジル人ミュージシャンたちと、静謐で美しいボサノバを演奏する。アメリカにいる頃に深夜よく聴いたアルバム。ピアノとチェロ、そして透き通るような女性ボーカルが絡みとても美しい。暑くて静かな夜にこのCDをかけて坂本のピアノが鳴り響くと、部屋の温度が一気に二度ほども下がったような気になるのだ。
     
イギリスといえば、ご存知の通りロックやポップスといった音楽産業が盛んで、ちょっとしたサイズの町であれば必ずHMVやVirginといったCDショップを見かける。実はこうしたCD専門チェーンというのはヨーロッパではイギリス以外ではほとんど見らないユニークなものだ。ドイツやフランスではCDやDVDは電器屋さんやデパートの中で売られているもので、HMVやVirginのような大型専門店は見かけない(小さな個人商店はあるが)。

そんなイギリスのユニークな業務形態も危機に瀕しており、最近目にする記事はこれらのチェーンの不振を報じるものばかり。HMVの日本事業が売りに出されているのが報じられたのはつい二週間ほど前。

こちらロイターの記事。

アジアにある63店舗が売却対象。このうち57店舗が日本にあり、残りはシンガポールに香港と、どちらも旧イギリス植民地である。そうかと思えば、今日のTIMESではこのような二つの記事が。

HMV profits plunge as CD market evaporates
HMVグループ(本屋のWaterstonesを含む)が-73%の大幅減益という記事。日本企業からの支援を受けようというしているという記述も。

Virgin Megastores fails to rescue rival Fopp
Foppというグラスゴー発祥のCDショップチェーンが財政難に陥り、Virgin グループの支援を仰ぐも合意に至らず、全店閉鎖というニュース。

実はこのFopp、今年2月に破綻したMusic ZoneというCDチェーンを買収したばかり。この記事の中にはやはり減収に悩むVirgin MegastoreがHMVとの提携を模索していたということも触れられており、まさにこの業界の構造不況を象徴している。アメリカのタワーレコードの経営が破綻したのも最近のことだ。

原因は消費者のCD離れと、それに加え、TESCOなどの大型スーパーが音楽CD販売に進出してきており、巨大な販売力を武器に低価格戦略でHMVなどの市場を奪いつつあったことがその背景にある。オンラインショップのAmazon.co.ukやPlay.comの躍進も無視できない。

かつては京都のVirgin Megastore、渋谷のHMV、最近ではオックスフォードストリートのHMV本店、ピカデリーサーカスのVirgin MegastoreでもよくCDを買ったものだが、これからはiTunesでダウンロードするだけ、となっていくのだろうか。さみしい気がするのは中年世代の感傷か。
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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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