子供二人を連れて子供たちを遊ばせ、夕方はマリーナで友人夫婦と食事。子供づれなのでPizza Express だ。Pizza Expressはイギリスでは最も人気のあるピザレストランチェーンで、本格的なピザとおしゃれな店構えが特徴。店によってはジャズの生演奏が入ったりするといえば、その雰囲気はなんとなく分かっていただけるだろうか。どの町にも一つはあるほどよく見かける。肝心のピザの味は、アメリカやイタリアのピザに慣れた人には物足りないだろうが、それでもイギリスで広く食べられるピザチェーンとしてはベストだろう。娘は小学校の体験学習でこのPizza Expressの厨房でピザつくりを体験したことがあり、それ以来のファンである。
イギリス人の友人は私にとっては仕事のパートナーであると同時に大の親友でもある。子供好きの彼は子供の扱いがとても上手で、わずかな間に子供たちはすっかり彼のファンになってしまった。


二十代ならではの貧乏旅行だったが、今ではとてもよい思い出。そんな町が大きな被害にあったという。言葉が通じないけど愛想のよかった市場のおばちゃんや、仲良くなっていろんな話をしたホテルの若い従業員、消息などわかるはずもないが、みんな無事だろうかと気になる。
飛行機にまつわるトラブルではこんな思い出がある。最初のロンドン駐在の時のこと。出張でロンドンからバンコクに飛んだ。航空会社はカンタス。バンコクは途中経由地で、シドニーに向かう飛行機だった。10数時間のフライトを終え、バンコクに降り立つも荷物がいっこうに出てこない。案の定、荷物だけ降りそこなってシドニーに行ってしまったという。三泊四日の出張なのにスーツケースなしでPCが入ったカバンだけ。カンタスからは洗面道具が与えられただけ。仕事の前にまずはバンコクのデパートを回り、下着にYシャツ、ネクタイなどを買い揃える羽目に。
結局私の荷物がシドニーからバンコクに戻ってきたのは、帰国の前夜。未使用の下着やシャツは一度も使われること無く、翌朝バンコクからロンドンに。まったく無意味である。
最後出発前に空港で補償金なるものが支払われたのだが、これがすべてタイのバーツ紙幣。持ち帰っても意味がないので、出発直前までしたくもない買い物をして終わったという話。
他にも思い出せばあれにこれにと、飛行機にまつわるトラブル話には事欠かないのである。
ぎりぎりまで待てばひょっとしたら乗れる可能性はあるというので、私と同僚とで空港のBAのラウンジで仕事をしながらまま待つこと4時間。夜8時になり、改めて搭乗カウンターに行き、キャンセル待ちの状況を聞くと、私はシルバークラブメンバーなので優先的に乗れるらしい(BAをよく利用するので、特別優待メンバーシップがある)。しかし、私の同僚は残念ながら無理。そのまま一晩待ってもらって、翌日のフライトに乗ってもらうしかないだろうとのこと。さて、そこであなたならどうするだろうか。
1. 明日は朝から大事な顧客とミーティングがあるので、同僚を置いて自分だけ帰る。これは業務出張であって旅行ではない。仕事の方が重要だ。
2. 同僚を見捨てて帰るなど、いくら仕事があるとは言えあまりに冷たい。同僚との信頼関係にきずが入る。自分も一緒に残る。
出張に次ぐ出張で私もいい加減疲れもピークに達している。同僚は今朝の便で日帰りの予定だったので、体力的には余裕があるはず。明日朝のアポイントもあるし、ここは心を鬼にして、自分だけ帰るべきかという考えも頭によぎったが・・・結局は2を選択。BAが用意したホテルに宿泊して翌日の便に乗ることにした・・・まではよかったが、チケットカウンターで翌日のフライトのブッキング交渉をしてみるとロンドン便はなんと翌日の便は夕方まですでに満席。ドイツは祝日なので、わが社のオフィスもお店もしまっているし(ドイツでは休日に許可なく働いたり、お店を営業することは違法行為)、昼間ドイツで過ごしても時間の無駄。というわけで、少しでも早く帰れそうな午前中のバーミンガム便を選択した。そこから電車を乗り継いでロンドンまで帰れば昼間の内にオフィスにたどり着けるだろう(ヒースロー空港に止めてある車をピックアップする必要があるが)。もうこんな生活はこりごり。これからは出張を減らすことを心に誓う夜であった(といいながら6月も出張の予定がすでにかなり入っているのだが)。
ところで、テクニカルな問題(technical failure)というのは航空会社がもっともよく使うフライトのキャンセルの「言い訳」として知られる。はっきり言えば、私を含む多くの人は航空会社の説明を信用していない。
からくりはこうだ。欧州の航空会社にとって欧州域内線は超激戦区である。従来の航空会社に加え、Ryan Air、Easy Jetなどの新興格安エアラインが台頭して、各社の収益は年々悪化。昨今のオイル高が追い討ちをかける。多くの会社にとって収益源は長距離フライト(long haul flight)であり、欧州域内の短距離線(short haul flight)は足をひっぱっているだけで、やむなく運営しているケースが多々ある。空港着陸料、燃料費、メンテナンス費用などを考えれば、満員でなければ飛ばしたくないのが本音。ところが一日に何便も飛ばす路線では、日や時間によって席があまり埋まらないというケースが起きる。さらに同じ日の次のフライトもガラガラというケースもありうる。こうしたときに便利なTechnical failureの登場である。
ガラガラの昼の便をキャンセルして、やはりすいている次の便に乗せてしまえば二度飛ばす必要はなくなり、費用は半分に節約できる上、稼働率も上がる。テクニカルな問題だと言えば誰も疑うことはできないし(受付の人はどんな問題か絶対に言おうとしない)、数時間待って次の便に乗れるとなればみんな我慢してくれる。これが最終便だったりするとこうはいかないはず。
というわけで、Technical failureによるフライトのキャンセルというのは圧倒的に昼の便が多いようだ。そしてなぜか全員が問題なく次の便に乗ることができる。誰もあぶれることなしに!これは実際に何度か体験してみれば明らかである。本当に問題が起こっている場合には乗れない人が出たりして結構な騒ぎになる。(そういえば昨年こんな珍しいケースもあった。)
航空会社が収益を追うあまり、こうした顧客を軽視したことを日常的に行っているのではないかと、かなりの利用者が疑っていることを彼らは分かっているのだろうか。みんなそれぞれその時間のフライトに乗る理由があるはずであり、それにあわせて予定を組んでいる。それが狂うことによる機会損失だってあるはずなのに、それに対する弁償も、きちんとした説明さえ何もない。こちらがフライトを自己都合でキャンセルすればキャンセル料をたっぷりとられるのにである。明らかに消費者不利だと思う。
いずれこれは利用者の航空会社への不満という形で噴出するのではないかとひそかに思っている。
ロンドンから二時間のフライト+時差が一時間ある。週末から月曜にかけてのロンドンは雨と風が時折激しく、気温も下がってバルセロナとは比べるべくもない天気だったが、オスロに着いてみると若干雲はあるものの、太陽が明るく顔を出し(といっても夜8時半だが)、気温も14度とさほど悪くない。先ほど夕食を終え、今ホテルの部屋でこれを書いているが、夜11時を過ぎたのにまだ空はうっすら明るく、オスロの緯度の高さを物語っている。
北欧には何度か来ているが、たまたま冬が多い。過去二回のオスロも真冬だったし、スウェーデンも二月に氷点下15度の中を歩いて辟易した思い出がある。唯一、昨年の八月にフィンランドのヘルシンキに一週間ほど滞在したが、そのときも天気が悪くかなり冷え込み、上着が手放せなかった。
北欧は日本人には比較的なじみの薄いエリアだ。確かに観光という意味では見るものには乏しい面は否めない。特に有名な遺跡や建築遺産があるわけではない。ノルウェーのフィヨルドや北極圏など、すばらしい景観はあるのだが、なにせ一年の半分近くが冬で、しかも交通のアクセスはよいとはいえない。物価も非常に高く、北欧料理は簡素だ。
しかしながら、そこに住む人々の生活水準や教育水準が高いことは随所に見て取れる。人々は英語を流暢に話し、住居は清潔感にあふれ、街にはドイツにも似た秩序がある。住んでしまえば(税金は高いが)とても快適なのではないかと想像する。
三泊四日の出張を終えて、土曜日にバルセロナからロンドンに帰宅。青い空に気温が25度にもなるバルセロナに比べ、ロンドンは雨が降り13℃と肌寒い。こういう時はやはり地中海性気候はいいなと実感。
バルセロナは南スペイン、カタルーニャ地方の中心都市であるが、1936年のスペイン内戦からフランコの長い軍事独裁政権時代が終わる70年代後半までに街が乱開発され、無秩序にビルが立ち並んだという歴史を持つため、街全体としての調和という点ではパリやローマには及ばない。しかし92年のオリンピックを境に整備が進み、観光と芸術の中心都市としてその魅力は高まるばかり。アントニオ・ガウディの天才的としか表現できないその建築物が街の各所に点在し、特にサグラダ・ファミリア教会は同行者いわく、「一生に一度は見ておきたい」、人類史上例を見ない芸術建築だ。
サグラダ・ファミリア〜未だ建設中
グエル公園から海を臨む
バルセロナの旧市街を歩く
今回は毎日、昼間は会議をして、夜は9時くらいから夕食を始め、コースが終わるのが12時少し前といったスペインスタイル。とにかく夜が遅い。違うのはシエスタをとらないことか(その分つらい)。 ヨーロッパ人たちはそこからさらにクラブやバーに繰り出して飲みに行くわけだが、こちらはせいぜい2時までで疲れて帰ってしまう。彼らは平気で4時ごろまで飲み、そのまま翌朝けろっと会議に出ている。やはり体力ではかなわないかと思う。
今回バルセロナに来たのも会議。ヨーロッパ全土と北アフリカの顧客を集めて、会社の方針や新商品を説明するのが目的の会議で、西のポルトガルやアイルランドはもちろん、北はフェロー諸島(北欧の島)から南はアルジェリア、東はボスニアやコソボ、ロシアからトルコ、キプロスまで20数カ国から100名近くが集まり、なかなか壮観である。そんな人たちを前に私も30分の時間を与えられ、マーケティングのプレゼンテーションを行ったが、反応は上々でうまくいった。
ランチでたまたま一緒のテーブルについたのがモロッコのカサブランカからの人で、モロッコのお国事情についていろいろと話が聞けた。行きたいとずっと思っていてまだ行く機会がないモロッコ。興味深かったトピックをいくつかあげると;
>モロッコは山脈をはさんで北と南にくっきりと別れ、南側は乾燥した砂漠地帯になる。北側は地中海の恵みで緑が多い。人種としては南はブラックアフリカンが主流になるが、北側では肌の浅黒い人種から、金髪碧眼のスカンジナビア系の人種までが混在している。人口は3千万人。
>モロッコではサマータイムを導入したことがあるが、農民からの反発を受け中止した歴史がある。そのため、ジブラルタル海峡をはさんでスペインとはフェリーですぐの距離なのに、夏は時差が二時間もある。この差は意外と不便。
などなど。他にもコソボやボスニアの人からかの地の状況を聞くこともできた。普段ほとんどなじみのない国々の人と交流する機会、なかなか得がたいものである。
イギリスにはチャイルドマインダー(childminder)という職業がある。普通の家庭が自宅で就学前の子供を預かるサービスだが、公的機関が審査してパスした人しか開業できないれっきとした資格であり、各地域に必ず何人か登録されている。うちの息子は昨年からこのチャイルドマインダーに週二日ほどお世話になっている。この二日間は英語環境にいるのだろう、最近英単語を口にするようになってきた。
私の判別できる限りでは、"no", "look", "back"(物を返してと頼む時), "hello"(受話器を持ちながら),"jump", "train", "pea", "mummy"、など。サバイバル英語を友達やチャイルドマインダーのおばさん相手に覚えている様子が伺える。
彼の日本語もせいぜいこれに少し毛が生えた程度なのだが、そんな子供が週二回昼間だけの英語環境でこうした単語を覚えてくるのだなと、子供の言語習得のメカニズムに感心すると同時に、日本語と英語の区別も付かない現状では子の脳が混乱するのではないかと少し不安になったりもするのだ。
明日から週末にかけてスペインのバルセロナへ出張。
この記事を見かけて、ああ、まさに自分のことだと思ってしまった。六年前、私が日本から初めてイギリスに転勤してきた時、最初に違和感を感じたのはランチをめいめい一人で取る習慣。私が日本で働いている時は、ランチタイムはみんなが一斉にレストランや社員食堂で取るもので、それが結構情報交換になったり、人間関係構築の場であったりしたものだが、こちらイギリスでは顧客とのビジネスランチはあるものの、普段から社員同士が昼食を共にするような習慣はない。多くのイギリス人はランチは楽しむというより、仕方なく取るものととらえている傾向があり、ランチにかける時間も2000年に比べて半分近くまで減ってしまったらしい。アメリカや日本のハードワーカーに取り残されまいと言う心理の顕れだと記事では分析しているが、確かにヨーロッパの中ではイギリス人は大変な働き者だ。
ランチにワインまで飲んでしまうフランス人に比べて、イギリス人のまじめな勤務態度と食事軽視(!)の傾向が出ているデータではある。
なお、この記事では最後に、それでもイギリス人はティータイムだけはきちんと取ることが付記されている。紅茶の年間消費量の半分はオフィスでのものだとか。
http://www.nikkei.co.jp/tento/trend/20060509m4959000_09.html
筆者の結論にはやや短絡的な面も感じられるが、体験談として語られるいくつかの点には共感できた。
まず、日本人学者が学会で英語でよい発表をしたが他の学者からの質問が理解できずに回答ができなかった話、また筆者本人がMITのビジネススクール留学中にクラスメートからの質問が聞き取れずに座が白けたというエピソードが取り上げられている。私自身ビジネススクール時代、仕事上でと似たような経験があり、大きくうなずいてしまった。そう、自分で一方的に発表するのは比較的簡単である。自分の知っていることを自分のペースで話せばいいのだから、英語の文と発音さえ問題なければいいたいことは相手に通じる。トリッキーなのはその後に出てくる聴衆からの質問である。ある程度予想が付く質問ならば大丈夫だが、時に自分が予想もつかないような質問が飛び出してくるので、そんな時は理解力が半減、しかも答えも用意できていない、という羽目に陥る。日本人の英語は応用がきかない、という一例。
二つ目に数学、理科、経済学は英語で学んだほうが楽という話。私もアメリカの大学院で統計学、ファイナンス、ミクロ・マクロ経済学などを学んだが、分厚い英語の教科書が意外と読みやすく、すっと頭に入ってくるのに驚きを感じた経験がある。同じ時に、副読本として日本語の教科書も持っていたのが、こちらのほうが同じことを説明するのにはるかに分かりにくく、「英語のほうがわかりやすいなんて」と皮肉に感じたものだ。そういう意味では、筆者の提案は特に高校や大学の授業においてならば一理あると思った。
筆者はこの後に韓国と中国は漢字を捨てることによって外国語への言葉の壁を低くしたと結論つけており、これには私は賛成しかねたが、全体としては私の経験に照らし合わせて納得できる点の多いコラムであったと思う。
何がそういう違いを生むのだろうと考えてみると、どうも心理的、身体的ストレスと関係があるような気がする。人間激しい怒りを感じたりすると母国語でも言葉がうまく出てこないことがあるが、外国語の場合、それがより敏感に出てしまうのではないか。心理的にストレスを感じていたり、疲れているときは頭の回転も鈍り、しかも落ち着いて頭を整理できないので、ちゃんとした英語が出てこないのである。
少しばかりのストレスくらいで日本語が不調になることはないから、これはおそらく私の英語力が未熟なために起こるのだと思う。ただ、もっと英語が下手だった昔はそういう好不調の波さえ感じなかったので、これはある程度のレベルに達してから感じる感覚なのかもしれない。
もっともっと英語力を磨けばそういう悩みを感じずに済むのだろうが、もう海外に暮らして6年になる。将来そういう日は来るのだろうか。
金曜は午前中パリ市内のクライアントとミーティング、午後はパリにある自社のオフィスで仕事。そこにいたフランス人女性同僚とのランチタイムの雑談で、ドイツでのサウナ体験についての話を聞いた。
その女性はドイツに一人で出張にいったとき、ホテルにあったサウナに入ることにした。一応水着を着用。一人きりで貸しきり状態だったので快適だったのだが、そこになんと全裸の男性が二人入ってきたのでびっくり。気まずくなって半ば逃げるようにして出てきてしまったという話。
そう、ドイツのサウナは男女の区別がないところが多い。いわゆる混浴である。しかも水着などは着用せず、全裸で入るのがマナーらしい(汗止めのタオルくらいは許されるらしいが)。私自身はドイツのサウナは試したことはないが、北欧でも同様のことを聞くし、東欧もそういう習慣のようだ。
しかし、フランス人女性が驚いたように、こうした裸文化はフランスにはないようだ。イギリスではさらに考えられない。イギリス人の男性の同僚はやはりドイツでサウナに入ってみて、周りが男だけであってもタオルを取ることが恥ずかしくてできなかったと言っていた。もし女性がいればなおさらである。人前で全裸になることに抵抗が大きいのだ。文化の違い、である。
日本語からみれば、インドネシア語、スワヒリ語、韓国語などが難易度が低く、逆にロシア語、ポーランド語、アラビア語は難しいという。ちなみに日本語から見た英語は、ロシア語よりも簡単で、中国語やスペイン語よりは難しい、難易度中の上にあたるらしい。一方、英語を母語とする人から見れば、フランス語やドイツ語、スワヒリ語は最も簡単で、日本語、中国語、韓国語、アラビア語は最も難しいとされる。
気が付いたのは、スワヒリ語は日本人にとっても英国人にとっても最も簡単で、逆にアラビア語はどちらから見ても最も難しいということ。理由は書かれていないが、アラビア語は文法から語彙、文字までどちらからもかけ離れているというのは分かるような気がする。また、インドネシア語が世界で最も文法が単純な言語だということを以前聞いたことがあるが、案の定スワヒリ語の次に日本人でも英国人でも習得しやすい言語として分類されている。
記事中の別の所には、マーク・トウェインが「才能のある人なら英語は30時間、フランス語は30日、ドイツ語は30年かけて習得できる」という言葉を残したというくだりがある。ドイツ語の複雑さ、難しさを極端に表現した言葉だが、ドイツ語を勉強したことがある者としてみると、確かに時制や性別の活用などが英語よりもはるかに複雑で、英語圏の人でも習得が難しいというのは納得である。
明日は午後からパリへ。
ところで、またまた25度ほどまで気温が上昇したこの日、ラジオによればここ数日の陽気の影響で南部ドイツを中心にドイツ各地でダニ(tick)が異常発生。草むらや森の葉っぱなどの裏に潜み、人や動物の血を吸うものだ。これにさされると傷の周囲がかなり激しくはれるとのことで、注意するよう呼びかけていた。わが娘は虫刺されへのアレルギーがあり、さされると過剰に反応してしまう。昨年マルタを旅行中に蚊に数箇所を刺され、あまりに腫れがひどく引かないので病院で点滴をうったほど。この時期ドイツをご旅行の際はご注意を。
週末、土曜はあいにくの雨模様だったが、日曜日は少し晴れたので、ロンドンの南東、Kent州に位置するHever Castleに遊びに行った。Kent州はキャッチフレーズが"Garden of England"というくらい美しい田園風景が多い州である。Hever Castleはノルマン王朝時代の13世紀に建てられ、その後16世紀には、ヘンリー八世の妻、アン・ブリンの居城となった。
このHever Castle、城そのものは小さいが、池や濠に囲まれた美しい風景が売り物で、様々に工夫をこらした庭園も目を楽しませてくれる。もう一つここの売り物は子供向けの施設が充実していること。お約束の灌木でできた迷路はもちろん、Water Mazeと称して、間違った板を踏むと噴水から水しぶきが上がるのでそれをうまく避けながら濡れないようにゴールを目指すという仕組みの迷路もある。たっぷり遊んで子供たちは大満足の様子。 アクセスが不便でマイナーなせいか、人もさほど多くなく、のんびりと庭園を楽しめるのも魅力。家族向けには楽しく美しい。また行きたいと思わせる観光地の一つである。
スコットランドでは地形を表すのに独特の単語を使う。例えば loch は湖、firthは河口だ。スコットランドの海岸を飛行機から眺めながらあれはfirthだなあとなどと思っていたら、ある大好きな曲が思い出されて頭から抜けなくなった。それはジェネシス の"Firth of Fifth"という曲である。
私の世代でジェネシスといえばフィル・コリンズを中心とした80年代のポップなロックグループというイメージが強いが、それ以前70年代にはピーター・ガブリエルという強烈な個性をリーダーに据えたプログレッシブ・ロックの雄だった(当時フィル・コリンズはドラマー)。
プログレッシブ・ロックという呼び方は進歩的ロックということで前衛的な響きがあるが、当時最新の電子楽器などを駆使してクラシックとロックの融合を試みた音楽であり、様式美やロマンシチズムを追求したクラシカルな側面が強い。ジェネシス以外ではピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)などが代表的で、どれもイギリスのバンドである。
70年代の、ピーター・ガブリエル(貴族階級の出身という)が率いたジェネシスは、音作り、ジャケットデザイン、ライブ衣装などに中世イギリスの雰囲気を強く意識しながら、歌詞は中世の寓話を下敷きに現代社会を痛烈に批判するという独特のアプローチを取っていた。そんな中生まれた傑作が「月影の騎士」"Selling England By The Pound"である(1974年)。
いかにも英国情緒あふれるジャケットデザイン、ロマンチシズムあふれるメロディーと、どこをとってもとても美しいアルバムだが、その中でも最も壮大で叙情的な曲が"Firth of Fifth"。実はスコットランドはエジンバラの近くに Firth of Forth(フォース河口湾)という地名があり、この曲のタイトルはForthをFifthとしゃれてみたと思われる(私の知る限り地名としては存在しない)。
昨今の音楽も嫌いではないが、こうしたヨーロッパの郷愁あふれる温かい音楽もいいものだ。
近くにはTroonという、ゴルフの全英オープンが開かれる有名な海沿いのゴルフコースがある。世界のトッププロが手を焼く風のリンクス。強い風が吹きすさび、雨こそ降らなかったが、めまぐるしく天気が変わった。
今日はロンドンの北東にあるロンドン・スタンステッド空港からグラスゴー近郊のプレストウィックに飛んだ。実はスタンステッド空港を利用するのは今回が初めて。ロンドンには合計五つの国際空港があるが、これですべての空港を使ったことになるので、それぞれを簡単に紹介すると・・・
一番大きなのが言うまでもなくヒースロー(Heathrow)空港。これはロンドンの真西に位置し、ターミナルが4つある、世界でももっとも忙しい空港のひとつ。現在第5ターミナルを建設中。
ロンドンから真南に一時間下るとガトウィック(Gatwick)空港がある。ここはターミナルが二つあり、大陸間を飛ぶジャンボも発着する。格安航空会社Easy Jetなどのハブ空港としても使われ、リゾート線も多く就航する。
ロンドン中心部に一番近いのがロンドン・シティ空港。これはロンドンの金融街シティから車で20分ほどのところ、テムズ川の上に作られた小さい空港で、国内を含むヨーロッパ域内線が就航している。金融街に近いせいか、金融立国ルクセンブルグへのシャトル便が運行しているので時々利用する。
ルートン(Luton)空港はロンドンから一時間ほど北にあり、ここもヨーロッパ域内を中心に、最近はEasy Jetなど格安航空会社が多く就航している。私は以前ここからグラスゴーやニースに飛んだ。
スタンステッド(Stansted)空港はロンドンから北東に約一時間、ケンブリッジに近い。国内線を含むヨーロッパ域内のフライト、特に飛ぶ鳥を落とす勢いの格安航空会社Ryan Airのハブ空港として知られる。
といった具合に、ロンドンには5つも空港があるのにどこも盛況であり、ヒースローだけでなく、スタンステッドなどでもさらに拡張計画がある。これはやはりRyan Air, Easy Jet, German Wingといった格安航空会社の存在が大きい。ヨーロッパにおける格安航空会社は驚くほどの低価格で価格革命を起こし、眠っていたリゾート需要を掘り起こした。この市場の成長は著しく、新興航空会社が雨後のたけのこのように誕生している。そうした格安航空会社はヒースローなど着陸料が高い巨大空港はあえて避け、ルートンやスタンステッドといった安価な空港をハブとして利用するのである。
日本では神戸空港の存在意義が問われており、私も現在の日本の旧態依然たる航空事情のままでは先行きは不透明だと言わざるを得ないが、こうしたヨーロッパ(とアメリカ)の状況に神戸空港の有効利用のヒントが隠れているのではないかと思う。着陸料を安くし、格安航空会社を誘致し、JALやANAが飛んでいないようなアジアの隠れたリゾートや都市に直行便を安価でたくさん飛ばせば、日本の膨大な潜在航空需要を掘り起こせるのではないかと思っている。そのためには航空行政における自由化も必要だろうし、周囲と競合する空港としてのビジネス的な視点からの改革も必要だろう。わが関西もロンドンモデルを参考に発展してもらいたいものである。
ヨーロッパは5月1日はメー・デーで祝日。三連休である。まだ時差ぼけが残る中、日曜日にはロンドンから車で一時間半ほど北東、オックスフォード郊外ウッドストックにある世界遺産、ブレナム宮殿に行ってきた。18世紀初頭、フランスとの戦争でのマールボロ公爵の功績への褒章として建てられたこの宮殿は、かのイギリスの首相ウィンストン・チャーチル卿が幼少期を過ごした宮殿としても知られる。ここに来るのは五年前に続いて二回目だが、前回来た時にその広壮さと風景の美しさに感動し、もう一度来ようと思っていたのが今回実現した。
宮殿を囲む池とそこにかかる橋、池の向こうに広がるなだらかな緑の丘にちらばる羊の群れ。この日は残念ながら肌寒い曇り空で写真はあまり映えないが、春の日差しを受けるとその美しさは絵のようである。
邸内は撮影禁止だが、チャーチル卿の写真や現マールボロ公爵家族の写真などが展示されており、美しい天井画やタペストリー、ダイニングホール、図書室と合わせて一見の価値あり。図書室ではピアノの生演奏が行われていた。小規模なパイプオルガンもある。
広大な庭園は一面緑の芝生で覆われている。たまたまこの日は馬上槍試合のイベントが行われていた。
英国式庭園にはお決まりの迷路は、園内を走る汽車で5分ほど移動した先にある。
宮殿の外の広大な敷地は家族でお弁当を持ってピクニックするのにもぴったりで、家族連れでも楽しめる観光スポット。いわゆる団体観光客が退去して押し寄せるような観光地ではないので、ゆったりと楽しめるのがよい。

















