Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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こちら北西ドイツのイースター四連休最後は雪がちらつく天気。今年はほとんど雪らしい雪は降りませんでしたが、ここに来て寒の戻りといった感じです。とはいえ、大きく積もるほどではありません。

最近、ヨーロッパにいながら、アメリカ人と仕事をする機会が増えています。アメリカ人というのは、人の名前をファーストネームで呼び捨てにするのが普通。受ける我々日本人も、それが親しさの裏返しのように好意的に捉えてあげるのですが、そんなアメリカ人の気安い呼び方に眉をひそめるヨーロッパ人は意外と多いです。特にドイツでは50代より上の人はビジネスでファーストネームは普通使いません。ファーストネームを使うのは学生時代からの知り合いとか、家族の間だけという不文律が年輩の人にはあります。どこに境目があるのか分かりませんが、40代以下のアメリカナイズされた世代から下では、ドイツ人でもファーストネームで気安く呼び合うことが多く、このあたり、かなり明確に世代間ギャップが見て取れます。

イギリスも基本的にファーストネーム文化ですが、ビジネスの場面では、結構気取って”Sir”とか、”Mr”という敬称を使ってSurnameで呼ぶことも多いです。そこには日本人でもなじみやすい節度がまだ感じられます。電話の押し売りでさえファーストネームで呼び捨てにされるアメリカとは少し違う。

日本人の名前を呼ぶのにファーストネームで呼ぶべきか、ラストネームで呼ぶべきかと外国人から訊かれることがたまにあります。日本人と仕事をしたことがある外国人は、日本人同士がビジネスでファーストネームを使わないことを知っているからです。そんな時私は、

「日本人には”san”という敬称がとても便利だ」

と教えます。日本人でも欧米のファーストネーム文化は理解していますので、ファーストネームで呼ばれることで機嫌を損ねる人は普通いません。かといって、相手を立てたいときや目上の人にはファーストネームの呼び捨てはちょっと抵抗感があるという場合も多いです。そんなときは、”Hiroshi” ではなく、”Hiroshi san”にすることで、十分な親しみを持たせながら、見下す感じにならない。また、”Mr Sakai”だと堅苦しすぎるという場合でも、”Sakai san”とすることで、節度を保ちながら、やや砕けた感じになる。日本人とのビジネス経験が豊富な外国人ほど、このsanをうまく使い分けています。しかもこの”San”は男性女性を選びません。

Sanというのは欧米にはない、とても便利な敬称なのです。
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日本人として海外で働いていると、日本人のよさを外国人から指摘されて再認識することがあります。ヨーロッパの人から見た日本人のよさというのは何でしょうか。「勤勉さ」「正確さ」「緻密さ」「忠誠心」など、色々とあるとは思いますが、日本人の美徳として私が最もよく耳にするのは、「礼儀正しさ」です。仕事の頼み方から部下や同僚、競合他社への接し方まで、Respectとpolitenessを忘れないその姿勢が、ひそかに周囲の外国人に感心されているようなのです。こうした日本人の礼儀正しさを見て、周囲の外国人はそれに影響され、社員全体に伝播して受け継がれ、外国にありながらも、日本企業独自の雰囲気、カルチャーを醸成していくのでしょう。

先日、会社を辞めてドイツ企業に移ったフランス人女性は、「日本企業の丁寧な仕事の頼み方が恋しい」とかつての同僚に訴えていたそうですし、私の目の前のドイツ人女性は、いかに日本人がアメリカ人やオランダ人といった人たちに比べて礼儀正しく、相手へのRespectを忘れないかを、彼女の実体験を交えて切々と語ってくれました。

イギリス人の同僚は、日本企業が社員を大事にする姿勢を高く評価していました。いともたやすく人がクビになる時代ですが、日本企業は社員を単なるコストとして捉えず、情けを持って接するところが、経営効率至上主義の米国や英国企業とは異なるといいます。そのことは時に、日本企業の非効率さ、コストの高さとして競争力を失わせる要因となりますが、長期的に見て、良い人材を長い目で育てることができるのは日本企業であり、そこが逆に強みとなることもあると彼は指摘します。彼は将来転職するにしても、日本企業に転職したいと考えているそうです。

一方、今の経済大国日本を作り上げた大きな要因であるはずの「勤勉さ」については、ヨーロッパでは必ずしもポジティブに捉えられません。プライベートライフを犠牲にしてまで働きすぎるその姿勢は、彼らには理解しがたいようです。私の会社でも最後まで残って残業をしているのは日本人ばかりですが、そんな光景は彼らには非効率だと映ります。昼夜土日を問わず働く日本人の働きぶりは、外国人の上司からは重宝されますが、しかしながら、北欧や西欧の企業は、社員にがむしゃらに働くことを特に要求せずとも、利益を出して成長し続けられる、スローライフ的ビジネスモデルをすでに生み出してきています。

昨今、政治やビジネスの世界では、従来のハードパワーではなく、ソフトパワーこそが競争力を決める時代に入ったと言われますが、意外と見落とされがちなこの「礼儀正しさ」こそが実は日本企業の隠れたパワーの源泉なのかもしれないなと考えたのでした。
     
海外に進出している日本企業の現地法人が、どの程度現地の外国人を登用するかというのは重要な問題です。私の会社の場合、ヨーロッパ本社はドイツ、社長はイタリア人で、その下の上級管理職をオランダ人、イギリス人、ベルギー人、ルクセンブルグ人、日本人といった多国籍のメンバーで固めていました。その下になると各国支社・支店の所長レベルになりますので、国籍はさらに多様になります。

その中で日本人は中間管理職と、その一段下の係長、担当者レベルに何人かいる程度です(ドイツに本社がありながら、ドイツ人が上級管理職にいないというのも不思議な話ですが、これはたまたまです)。このように、日本企業でありながら、ヨーロッパ支社のトップが日本人ではないという会社は少数派でしょう(東京本社のトップがウェールズ人というソニーのような極端な例もありますが)。そういう意味で、私の会社は現地スタッフの登用が比較的進んだ例だといえると思います。

ではなぜ、現地スタッフを登用して上に上げてきたのかという理由ですが、いくつかあります。

1. 現地の事情を知っている人に仕事を任せたほうがうまく行く。
2. 社歴がそこそこあり、経営能力があり、日本本社からの信頼が厚い現地スタッフがいる。
3. 日本人の駐在員は現地のスタッフに比べて、給与、手当、福利厚生などが高すぎる。

まず一点目については、その会社が扱う商品やサービスの性質によります。現地の市場環境にフィットさせなければ売れない商売であれば、事情の分からない言葉の不自由な日本人が担当するより、現地人の方が有利なのは理です。

二点目は、信頼関係がモノをいいます。本社は海外子会社をコントロールしたいもの。海外支社を外国人に任せるには、その外国人が本社から信頼を勝ち得ていなければなりませんが、外国人がそこまで信頼されるにはやはり言語コミュニケーションなどの障害があるので、時間がかかります。必然的に、社歴がそこそこあって社内での実績がある人が選ばれやすくなります。

三点目。会社にとっては、駐在員というのは何かと余分なお金がかかるもの。日本人駐在員一人の費用で同等レベルの現地スタッフ二人分の給料が払えると言われます。ですから、損益の観点から言えば、駐在員は少ないに越したことはないわけです。

逆に上の三点に当てはまらない場合には、海外子会社は日本人比率が必然的に高くなります。つまり、海外ではあるけれど得意先が日本人や日系企業の場合、こちらも日本人であることが顧客との関係強化に役立ちます。また、海外進出して日が浅く、現地人に信頼の置ける人材がいない場合、とりあえず日本人を送り込んで立ち上げるのが常套でしょう。三点目は、日本人駐在員が二人分、三人分働けばいいわけで、実際そういう例も散見されます。

人材こそが会社を成功させる要なのですから、一般的には、現地のスタッフによい人材が多い会社ほど、将来にわたって無理なく成長できる会社と言えるでしょう。日本人はついつい日本人の枠の中で仕事をしてしまいがちですが、それでは現地の人材は育ちません。長期的視野に立って現地スタッフの人材育成を戦略的に進めていくことが、日本企業の海外進出成功の大きな要素となると思います。
     
EMEA という略語があります。これはEurope, Middle East(中近東), Africaの頭文字をとったもので、日本ではあまりなじみがない表現ですが、アメリカやヨーロッパではちょくちょく目にします。なぜなら、多くの国際企業がこのEMEAを一つの広い地域のくくりとしてビジネスを展開しているからです(ちなみに日本を含む太平洋周辺地域、極東はAPACと呼びます。Asia Pacificの略です)。

私は現在このEMEAを担当地域としているわけですが、ヨーロッパで商売する場合、国ごとの文化や民族、法規制、インフラなどの違いを頭に入れずして成功はおぼつきません(ヨーロッパだけで30カ国、アフリカ、中近東も含めれば100に届くでしょう)。たとえば、先日こんなことがありました。

旧ユーゴスラビア地域は近年ヨーロッパでは成長著しい地域ですが、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアでビジネスを展開しようと販売代理店を採用したものの、うまく行きません。よくよくエリア担当営業に話を聞いてみると、セルビア人の経営する販売代理店がボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアも担当しているとのこと。民族紛争のしこりがまだ色濃く残っており、うまくいくはずがないわけです。

バルト三国の場合、リトアニア、ラトビアはロシア人に担当させる一方、一番北になるエストニアはロシア人への拒絶反応が特に強く、民族的、言語的にフィンランドに近いので、フィンランドからビジネスを広げるといった方法を取っています。

スペインの場合であれば、首都マドリードと南部のバルセロナは反目がありますし、バスク地方であればこれはもうテロが起こるほど過激に反発します。ベルギーのオランダ語(フラマン語)圏とフランス語(ワロン語)圏の争いもよく知られるところです。スイスであればドイツ語とフランス語の商圏はかなり明確に分かれており、両方の言語ができる人を置かなければビジネスは半減します。北アフリカのマグレブといわれる国々(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)は歴史的にフランスとつながりが強いので、フランス経由でビジネスを展開するのもよくあるパターンです。
     
今日は会社での月例会議の日。全欧から各国のトップが集まり、私が議事進行役を務める。前夜、スイスとイタリアのトップと夕食を共にした。イタリア人は英語がさほど上手ではない(イタリア人は総じて英語があまり得意ではないが)一方、スイス人は英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語を自在に切り替えて話すことができる。英語を中心にドイツ語、イタリア語が飛び交うディナーとなった。最近すっかりお約束のように語られる異常気象も話題に。ギリシャの島でバカンスを終えたばかりのそのスイス人によれば、アテネ周辺では46度を記録するなど猛暑が続き、イタリアのミラノも連日30度を超える真夏日が続いていたようだ。一方こちらドイツは雨が多く、20度にも届かない日が続いている。

会議は午前中にヨーロッパ全体に関わる話題を話し合い、午後には各国の状況を確認する国別のセッションとなった。イタリア人にはおしゃべりが多いと一般的に思われているが、実際その通りで、話題がイタリアのパートになると話が長引いて終わらない。北はアイスランドから東はロシア、ウクライナからイスラエル、南はアフリカまでカバーする会議。これだけの広範囲にわたる議事をまとめるのは結構な労力と精神力が必要。結局朝から夕方まで、ぶっ続けで11時間の長丁場となった。

疲れている体に鞭打って、明日は早朝からオランダに向かう。ドイツもオランダも学校などが夏休みに入ってバカンスシーズンに入っているので、オランダ名物の渋滞がひどくないのが唯一の救い。そして、出張が終われば、この週末からはちょうど一年ぶりの日本である。
     
イギリスといえば、ご存知の通りロックやポップスといった音楽産業が盛んで、ちょっとしたサイズの町であれば必ずHMVやVirginといったCDショップを見かける。実はこうしたCD専門チェーンというのはヨーロッパではイギリス以外ではほとんど見らないユニークなものだ。ドイツやフランスではCDやDVDは電器屋さんやデパートの中で売られているもので、HMVやVirginのような大型専門店は見かけない(小さな個人商店はあるが)。

そんなイギリスのユニークな業務形態も危機に瀕しており、最近目にする記事はこれらのチェーンの不振を報じるものばかり。HMVの日本事業が売りに出されているのが報じられたのはつい二週間ほど前。

こちらロイターの記事。

アジアにある63店舗が売却対象。このうち57店舗が日本にあり、残りはシンガポールに香港と、どちらも旧イギリス植民地である。そうかと思えば、今日のTIMESではこのような二つの記事が。

HMV profits plunge as CD market evaporates
HMVグループ(本屋のWaterstonesを含む)が-73%の大幅減益という記事。日本企業からの支援を受けようというしているという記述も。

Virgin Megastores fails to rescue rival Fopp
Foppというグラスゴー発祥のCDショップチェーンが財政難に陥り、Virgin グループの支援を仰ぐも合意に至らず、全店閉鎖というニュース。

実はこのFopp、今年2月に破綻したMusic ZoneというCDチェーンを買収したばかり。この記事の中にはやはり減収に悩むVirgin MegastoreがHMVとの提携を模索していたということも触れられており、まさにこの業界の構造不況を象徴している。アメリカのタワーレコードの経営が破綻したのも最近のことだ。

原因は消費者のCD離れと、それに加え、TESCOなどの大型スーパーが音楽CD販売に進出してきており、巨大な販売力を武器に低価格戦略でHMVなどの市場を奪いつつあったことがその背景にある。オンラインショップのAmazon.co.ukやPlay.comの躍進も無視できない。

かつては京都のVirgin Megastore、渋谷のHMV、最近ではオックスフォードストリートのHMV本店、ピカデリーサーカスのVirgin MegastoreでもよくCDを買ったものだが、これからはiTunesでダウンロードするだけ、となっていくのだろうか。さみしい気がするのは中年世代の感傷か。
     
公共の建物での喫煙が禁じられているアメリカに比べ、喫煙天国と言われる日本。欧州はその中間にあったのが、最近はアイルランド、フランスで相次いでレストランなどでの喫煙が禁止になり、ドイツも今年から喫煙に対する規制が厳しくなる。そんな嫌煙ムードの中、スモーカーズ国際航空という航空会社がデュッセルドルフと成田に2007年10月の就航を目指していると聞いた

ノルトライン・ヴェストファーレン州の州都であり、ドイツで最大の日本人人口6000人を誇る、デュッセルドルフだが、これまで日本との直行便がないことがネックだった。日本に飛ぶ人はフランクフルトやパリ、ロンドンといった周辺都市を経由しなければならない。デュッセルドルフを拠点とするLTUというチャーター便の航空会社が過去に日本への直行便を計画したもののこれまで実現には至っていない。

Smoker's International Airline (http://smintair.com/) はなんと全席喫煙可のビジネスクラスというのが売り物で、ボーイング747の広い室内スペースを贅沢に利用して、60年代のようなラグジュアリーな空間を再現することを目指しているとのこと。現在ライセンス認可のための資金や人材を調達中のこと。--> BBCのニュース記事

かつて飛行機での喫煙がOKだった頃、ロンドン=東京間12時間を喫煙席に乗った事があったが、当時喫煙者だった私でも煙たくて、二度と乗りたくないと思ったものだが、ビジネスクラスの料金数十万円を払ってまで喫煙をしたいものか疑問ではある。ただ、多くの人が望んで実現しなかったデュッセルドルフと東京との直行便というのが狙い目か。
     
一般的に海外よりも日本は物価が高く、過去にはこれがしばしば社会問題とされてきた。最近ではデフレやユーロ高の影響などもあり、一部では逆転現象が起こったりもしているが、CDとDVDの価格についてはいまだ日本は世界一高価なマーケットだと言える。 DVDを例に取れば、日本で新作DVDはオンラインなどで安くても3000円程度。通常は3800円前後で店頭にならぶが、アメリカでは20ドル前後。1500円も安い。ドルに換算すれば、アメリカはだいだい日本より35%安い。 これだけ価格差があれば、アメリカのDVDをAmazonなどのオンラインで購入して日本に輸送してもまだおつりが来るのだが、そうして購入したDVDを楽しむにはいくつか障壁がある。
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日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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