竜巻が来たときの様子はこんな感じだ。竜巻が近づくとサイレンが街に鳴り響き、住民に注意を促す。TVでは竜巻の予想進路を記した図を流して、進路上にいる人たちは避難するよう呼びかける。竜巻の最下部が地面に付くことを"Touchdown"と呼び、こうなると地上のものを吸い上げるので大変危険である。外は激しい雷雨になるが、竜巻周辺はそこだけ雲の色が緑がかって見えることもある。
人々は大きく頑丈な建物に避難するか、家の中であればバスルームや地下室など、奥まって独立した小部屋にこもることが勧められる。竜巻の直撃を食らってもそうした部屋のほうが残る確率が高いからだ。また、竜巻が近づいたときは窓を完全に閉めてはならない。外と家の内部の気圧差が大きくなると、窓が中から破裂してしまう恐れがあるから、空気の逃げ道を少し開けてやる必要があるのだ。こうしたことは日本やヨーロッパにいると知ることはないのだが、アメリカ中西部では生活する上での必要知識だ。中西部のホテルに泊まるとたいてい部屋にこうした注意事項が書いてある。広いアメリカ。ヨーロッパと違って大自然の驚異は厳しい。
ガソリンが3年で倍の価格。車以外の代替交通手段がほとんどないアメリカではこの価格上昇は家計を大きく圧迫する。しかもアメリカの車はどれも燃費が恐ろしく悪い。私がアメリカ時代乗っていたフォードはリッター6-7キロ。アメリカで四台に一台といわれるSUVになるとさらに悪い。トヨタやホンダのハイブリッドカーが注目を浴びるゆえんである。
CNNでは地球温暖化の特集ドキュメンタリーを放送しており、そこではKyoto Protocol (京都議定書)にアメリカが署名を拒否したことも批判的に取り上げていた。論調は完全にエネルギー節約。ただ、その一方でCNNは数日後には、ハイブリッドカーが実はそれほど経済的でも環境にやさしいわけでもない(ハイブリッドカーのスピードが遅すぎて渋滞の原因になり、これが余計にガソリン消費を悪化させている、とかハイブリッド車は価格が高いのでガソリン消費が少なくても取り戻すには何年もかかる)という、どうもアメリカのビッグ3あたりの息がかかったようなちょうちんドキュメンタリーを放送予定のようで、このあたりは懲りない鼻持ちならないアメリカ(でも片方に偏りすぎないようバランスをとるアメリカ)といったところか。
Las Vegas5日目、午後のフライトまで少し時間があったので街を歩いてみた。二年前には建設中だったモノレールがもう完成しており、それに乗ってメインストリートのLas Vegas Boulevard( 通称”The Strip”)まで出て、そこから歩いてやはり最近完成したらしいFashion Show Mallというショッピングモールへ。専門店街を四つのデパート(Neiman Marcus, Bloomingdale, Saks Fifth Avenue, Macy’s) が取り囲むという典型的アメリカのショッピングモール。そこでお土産を買い、最上階のフードコートではお気に入りのSbarro のピザを久しぶりに食べることができた。
大人のエンターテイメントという印象が強いラスヴェガスだが、最近は子供向けイベントや、ショッピングセンターも充実してきており、家族連れも数多く見かける。しかし、やはりこの街の巨大さは桁違いである。The Strip沿いに並ぶ「超」大型ホテルの数々はそれぞれ巨大なカジノ、コンベンションセンター、劇場、ショッピングモールなどを中に抱え、上が宿泊客用の部屋になっている。映画”Oceans 11”にも登場したホテルBellagioやそのお隣のCaesars Palace などは端から端まで歩くと15分くらいはかかるし、広すぎて中で迷うこともしばしば。隣のビルが近くに見えるので、歩いてみたら実は距離があってなかなかたどり着けない。そう、まるで砂漠に浮かぶ蜃気楼のような街なのである。
Hotel Rioの屋上にあるバーVoo Doo から、ストリップのホテル街を望む。 
今月はシーザースパレスホテル内の劇場でセリーヌ・ディオンのコンサートが。
二年前にはなかったモール、Fashion Show Mall。 
中にビーナス・フォート風のモールがあり、運河をゴンドラで移動するホテル・ベネチアン。
最近オープンした高級ホテル、Wynnリゾート。窓があるのか??

三年前に離れたアメリカ、二年前にも何度か出張で滞在したのだが、もう忘れていることが意外に多く、ああそういえばこんな感じだったなと改めて思い出すことも多い。
まず、とてもアメリカ的だなと思ったのが、レストランでのウェイター、ウェートレスの対応。店に入るなり、満面の笑みで”Hey, how are you doing?”、オーダーが給仕されてしばらくすると”Is everything OK?”と聞きに来る。異様に愛想がよい。チップをはずんでもらうための作り物の笑顔と愛想だと言われるが、とにかくフレンドリーであることは確か。ヨーロッパにはない雰囲気である。
チップの習慣はアメリカでもっとも面倒なことのひとつ。イギリスでも一部残るが、基本的にチップの習慣はヨーロッパでは消えつつある。イギリスではレストランでは10%が上限、ドイツなど大陸ではおつりの端数を残すぐらい。アメリカでは15%が最低、できれば20%というのが標準。前にアメリカ人にきいたことがあるが、15%しかもらえないと結構不満なのだそうだ。レストラン以外でもベルボーイやメイド、タクシーを呼んでくれる人に渡す1ドル札など、空港に着いた瞬間から1ドル札を入手しなければと気になってしまうのがわずらわしいと思っているのは私だけではないだろう。
ともあれ久々のアメリカ、独特の雰囲気を久々に味わっている。



