Europe Watch

 これまでイギリス、アメリカ、ドイツと移り住んできたビジネスマンが、海外での暮らしや習慣、ビジネスなどについて様々な視点から語るブログです。
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先日イタリアまでドライブしたとき、スイスのルツェルンという街に立ち寄りました。チューリヒやバーゼルに近いためか、日本ではあまり知られていない街だと思いますが、アルプス山系の山を望み、湖に面したこじんまりと美しい街でした。かつてはビクトリア女王がバカンスに訪れたという、ヨーロッパではちょっと知られた高級避暑地リゾートのようです。
ルツェルンにあるヨーロッパ最古の木造橋14世紀建立

この街の特徴はなんといっても高級時計店の充実振りです。街の中心部のしゃれた商店街には至る所に時計屋さんがあります。その多くは当然ながら高級なスイス時計。その中でも街の中心部のひときわ目立つところに位置しているのが、”Bucherer”(ドイツ語でブヘラと発音)というお店。ショーウィンドウにもずらりと高級時計が陳列されていますが、中に入るとかなり奥行きがあって広々としており、それがなんと4フロアもあります。そのほとんどがスイス製高級時計。東京にも色んな時計屋さんがありますが、ここまで大きくて高級な時計ばかりを揃えた店はないのではないでしょうか。チューリヒなど、スイス各地とドイツなどにもお店がありますがこのルツェルンが創業の地で本店。昨年秋に日本支社を設立したようです。

ブヘラのルツェルン本店


このブヘラは高級時計とジュエリーの名店として有名ですが、もう100年も前からBuchererブランドの時計も出しており、ドイツのアンティークのお店などでもエレガントなデザインのヴィンテージ腕時計を見かけます。日本ではまだあまり知られていないけれど、本場スイスではよく知られた老舗のブランドの時計が欲しい、というこだわり派の方にお勧めします。

ブヘラ パトラヴィ


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今日はスイスのチューリヒに飛んだ。スイスではドイツ語、フランス語、イタリア語、そして滅び行くロマン語の四つの言語が公用語とされ、スイス国営テレビ局も四つの言語でそれぞれチャンネルを分けている。ドイツ語圏にあるチューリヒは、Zürichとドイツ語で綴り、原音に近いチューリヒと日本語では発音するが、英語ではズーリックと発音。英語で言われると日本人には分かりにくい地名のひとつだろう。チューリヒ空港はとても広くてきれいな(そして静かな)空港で、私の中ではこれまで見た空港の中でもベスト5に間違いなく入る快適さである。ターミナル間をつなぐSkymetroなる矛盾した名前の電車に乗ると、車内放送で牛の鳴き声とカウベルの音、そしてヨーデルが静かに流れる。スイスに来たという雰囲気を出そうとしているわけだが、思わず微笑んでしまう。

昼食時に、スイス人クライアントが日本に滞在したときのエピソードを話してくれた。
     
ヨーロッパには小さな国がいくつも散在している。よく知られているバチカン、モナコ、ルクセンブルグなどから、ややマイナーなマルタ、サンマリノ、アンドラなど。リヒテンシュタインはマイナーな部類に入るだろう。どこにあるかも(ヨーロッパ人にさえ)あまり知られていないが、こんなところに位置している。

Liechtenstein map


リヒテンシュタイン公による伝統的絶対君主制を取るこの国、スイスとオーストリアの間にはさまれ、小豆島程度の大きさの国土の多くは山である。人口3万人であるが、国庫が豊かなので所得税、相続税などはなし。国としてはスイスとの結びつきが強く、外交、通貨、防衛などは共通。スイスの一自治州といった感じである。ヒトラーのドイツにも併合されなかった永世中立国。

私は2年前にスイスからオーストリアに車で抜けるときにこの国を通ったことがある。スイスのハイウェイに並行する小さな川を渡るとそこがもうリヒテンシュタインの首都Vaduz (ファドゥーツ)である。スイスからだと国境検問もなし。Vaduzも小さな町で、市街地のすぐそこまで山が迫っており、町の半分は斜面。その山の中腹に侯爵の居城ファドゥーツ城が庶民を睥睨するように張り出している。

Vaduz城


この国では、車の数も知れているだろうが、独自のライセンスナンバープレートを使用している。下地が真っ黒なのでヨーロッパでは逆によく目立つ。FLというのが正式国名の頭文字を取ったもの。

Liechtenstein license plate

(from www.olavsplates.com/liechtenstein.html)

こんな小さな国だが、世界一の企業がある。工具メーカーのHILTIといえば日本でもよく知られた会社。そもそもこの国はタックスヘブンなので世界からペーパーカンパニーが集まるが、この企業はリヒテンシュタインの誇る世界一企業である。

わずか一時間程度の滞在だった。国境線を示す標識がなければスイスの町の一つに紛れ込んだかと思うほど小さく平和な国である。大EUとして統合巨大化が進む一方で、こんな小さな国が独立主権と君主制の伝統を保ち続けることができるのがヨーロッパだ。
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Author:TI
日本を離れて八年。イギリス、アメリカを経て現在ドイツ在住。30代も後半に入ったビジネスマンで二児の父。

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